動画配信サービス大手のNetflixが、低価格の広告付きプランを11月から開始しました。そのプランに対し、フジテレビ副会長の遠藤龍之介氏は18日に「事前に十分な説明がなく、唐突で強引だ」と、苦言を呈しています。
また、会見で広告付きプランの民放各社への影響を問われた際には、「大変唐突で、進め方が非常に強引だったという印象。残念で不快だ」と語りました。民放各社は広告なしの定額制を前提とし、番組を動画配信サービスに提供しているとのことで、「放送事業者に、事前に十分な説明や調整がなかった」と、Netflixの対応に不満を抱いています。
さらに、同業種など番組スポンサーと競合するCMが広告として流れる可能性もあるとして、「放送局が意図していないCMが流れるのは非常に大きな問題。水際で問題があるものをチェックしている、各局のCM考査が機能しなくなる」とコメント。
Netflixの新プランに対しては、NHKも批判し抗議を行っています。Netflixの広告付きプランでは、NHKの番組にも広告が付くようになりましたが、NHKは放送法で広告放送が禁じられているため、Netflixに対して抗議し、配信停止を求めています。Netflixはこの抗議を受けて、広告を外す方針で調整中とのことです。
Netflixの広告付きベーシックプランとは?
そもそも広告付きの新プランはどのような内容なのでしょうか?Netflixの広告付きベーシックプランは、映画やドラマの間に広告が一定時間ごとに表示される分、低価格でNetflixのサービスを利用できるというものです。
このプランでは、同時に1台のデバイス(スマートフォンやタブレット、パソコンなど)にて、HD画質で映像を視聴することができます。また、映像だけでなくNetflixゲームも利用でき、このサービスについては広告は表示されません。
従来の広告なしプランとは違い、ほとんどの映画やドラマの視聴前、あるいは視聴中に広告が表示されます。視聴する作品によって異なりますが、広告は1時間あたり平均して約4〜5分間表示されるとのことです。
プランの価格は月額790円と、従来の最安プラン「ベーシック」よりも200円ほど安く設定されています。しかし、一部の映画やドラマはライセンスの関係で視聴できないほか、広告付きプランにはダウンロード機能が含まれていません。
日本の民放各社はNetflixの新プランに不満を呈していますが、果たしてプランの内容は変更されるのでしょうか?今後のNetflixの動向に注目が集まります。