23日の東京株式市場でトヨタ自動車の株式時価総額が48兆7,981億円に達し、日本企業の歴代最高記録を更新しました。これは、1987年のNTT株がバブル期に樹立した記録を上回るもので、トヨタ株は前日比9円高の2,991円で取引を終えました。
この株価上昇は、海外投資家の資金が日本の主力株に流れ込む中、トヨタの収益力の改善に対する市場の評価が反映された結果です。大和証券によると、これまでの日本企業最大の時価総額は、1987年5月11日にNTTが記録した48兆6,720億円でした。当時、NTTは民営化された後の1987年2月に株式市場に上場し、世界最大の時価総額を誇っていました。
時価総額は企業の価値を市場が評価した金額であり、トヨタの堅調な業績と経営改善により、海外投資家からの注目が高まっています。2024年3月期の連結営業利益は前期比65%増の4兆5,000億円を見込んでおり、経営改革の一環としてグループ会社の株売却も進められています。世界の時価総額ランキングにおいては、トヨタは28位に位置しており、主に米国のIT大手が上位を占めています。
ネット上では、「トヨタは自社の商品に適正な価格を反映させることに成功している」「昭和時代に築いた土台がしっかりしているから今の価値があるんですね」「豊富な資金で、ぜひ交通事故が減るような車も開発してほしい」などの意見が寄せられています。
米国でハイブリッド車が人気再燃 トヨタに追い風
2023年、米国における電気自動車(EV)の販売台数が過去最多の120万台を記録し、市場シェアは7.6%に達しました。一方で、ハイブリッド車の販売台数はEVを上回り、市場シェアは5.5%から8%に増加しています。
特にトヨタは、このハイブリッド車の人気再燃の恩恵を大いに受けています。2023年、トヨタはハイブリッド車の販売台数を64万台以上に伸ばし、米国内のハイブリッド車市場の約3割を占めました。
この成功は、充電インフラの整備不足や高額なEV価格が背景にあるとされています。自宅で充電できない賃貸アパートの居住者や都市部に住む人々は、より手ごろな価格のハイブリッド車を選ぶ傾向が強まっているのです。
米国におけるハイブリッド車の人気再燃も、トヨタの時価総額の上昇に寄与していると見られています。トヨタはこのトレンドに対応するため、数ヶ月以内に新たに9種類のハイブリッド車をリリースする予定です。
トヨタ北米部門のデービッド・クライスト氏は、「この業界を動かしているのはメーカーではなく、消費者なのです」と述べ、市場の変化に柔軟に対応する姿勢を強調しています。