
トランプ米大統領は29日、自身の納税申告書が報道機関に流出したのは政府機関の管理不備によるものだとして、内国歳入庁(IRS)と財務省を相手取り、100億ドル(約1兆5000億円)の損害賠償を求める訴訟を起こしました。 訴えは南部フロリダ州マイアミの連邦地裁に提出されており、大統領が自国の政府機関を相手に巨額の賠償を求めるのは極めて異例だとされています。 訴状によりますと、トランプ氏とその家族は、IRSの元契約職員が自身らの納税申告書に不正にアクセスし、「ニューヨーク・タイムズ」など複数の報道機関に提供したにもかかわらず、IRSと財務省はそれを防ぐための義務的な安全対策を怠ったと主張しています。
アメリカでは歴代大統領が自発的に納税記録を公表するのが慣例となってきましたが、トランプ氏は任期中から一貫して開示を拒んできました。 こうした中、「ニューヨーク・タイムズ」は2020年、独自入手した納税資料に基づき、トランプ氏が大統領当選前の15年間のうち10年間、連邦所得税を支払っていなかったと報じ、納税姿勢や租税回避の実態をめぐり大きな議論を呼びました。 トランプ氏は当時、この報道を「フェイクニュースだ」と強く否定し、納税義務は果たしていると主張していましたが、具体的な申告内容は明らかにしていませんでした。
一方、今回の訴訟の発端とされるIRS元契約職員チャールズ・リトルジョン被告は、トランプ氏や他の富裕層の納税情報を違法に取得し、「ニューヨーク・タイムズ」や非営利報道機関「プロパブリカ」に提供した罪を認め、2024年に禁錮5年の有罪判決を受けています。 トランプ氏側は、この不正アクセスと情報漏えいが、IRSと財務省のずさんな情報管理によって可能になったと指摘し、自身の信用失墜や経済的損失は「重大かつ回復不能」だと訴えています。
情報管理への不信と政治的思惑
トランプ氏は、今回の訴訟を通じて、自身の納税記録を巡る一連の報道を「違法な漏えいの結果」と位置づけ、政府機関とメディアの双方に対する対決姿勢を一段と鮮明にしています。 訴状では、IRSと財務省が高度に機微な税務情報を扱うにもかかわらず、不正アクセスを防ぐ技術的・組織的措置を十分に講じてこなかったと批判し、連邦政府の情報管理体制そのものへの不信をあおる内容となっています。
また、トランプ氏の納税記録をめぐる問題は、2024年大統領選挙を含む過去の選挙戦でも争点となってきましたが、今回の提訴により、再び納税をめぐる攻防が政治的論争の火種となる可能性があります。 支持者の間では、トランプ氏を標的にした「政治的なリークだ」とする見方が根強く、一方で批判的な立場からは、大統領経験者として説明責任を回避してきたとの指摘も続いています。
情報を漏えいした元職員には既に有罪判決が下されていますが、それでもトランプ氏が巨額の民事訴訟に踏み切った背景には、政府機関側の組織的責任を追及するとともに、メディア報道の正当性に疑問を投げかける思惑があるとみられます。 今後、裁判所が大統領経験者による前例の少ないこの訴えをどのように判断するのか、また、納税記録の扱いをめぐる規制や情報管理体制の見直しに議論が広がるのかが注目されています。








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