
不動産価格の高騰がマンション家賃に波及し、働く世代の家計を圧迫する懸念が強まっています。東京23区ではファミリー層向けマンションの募集家賃が可処分所得の4割を超え、都心で手ごろな賃貸物件を探すのは難しくなりつつあります。変動が少ないとされてきた家賃の本格的な上昇は新たなインフレ圧力になると指摘されています。
東京23区の2人以上勤労者世帯の可処分所得を分母にして募集家賃の負担割合を試算すると、2025年11月は45.5%に達しました。一般的に家賃は可処分所得の25〜30%にとどめるのが目安とされており、過去10年ほどはこの水準を保っていましたが、近年急速に負担率が上昇しています。東京23区のファミリー向けマンション(50〜70㎡)の平均募集家賃は2025年11月時点で25万円を超える水準に達し、前年同月比プラス10.0%となっています。これは調査開始以来の最高値を更新し続けています。
単身者向け物件も上昇が続いており、個人向け物件は5年前から7.6%高くなりました。シングル向けの平均家賃は約10万円を超え、18カ月連続で最高値を更新しています。都心3区と呼ばれる千代田区・中央区・港区ではワンルームマンションの平均家賃が13万円前後に達しており、賃貸市場全体で上昇圧力が強まっています。
家賃上昇を招く複合的な要因
家賃上昇の主な要因として、分譲マンション価格の高騰が挙げられます。2024年度の首都圏新築マンション1戸あたりの平均発売価格は前年度比7.5%上昇の8,135万円で、東京23区は11.2%上昇の1億1,632万円に達しました。購入をあきらめた層が賃貸市場に流入したことで、需要が供給を上回る状態が続いています。
建築コストの上昇も大きな要因です。国土交通省の建設工事費デフレーターによれば、2012年から2023年までの上昇率は30%を超えており、建設資材や人件費、エネルギーコストの増加が新築賃貸物件の建設コストを大幅に押し上げています。さらに管理費用の上昇も家賃に転嫁されており、物件の維持管理費やリフォーム代、光熱費、人件費が増加しています。固定資産税の評価替えも値上げを後押しし、物件オーナーは今後も家賃を引き上げる方針である場合が多く、家賃の上昇局面は当面続いていく見通しです。



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