
小型ロケットの開発を目指していた宇宙ベンチャー企業「SPACE WALKER(スペースウォーカー)」(東京都港区)が、東京地方裁判所から破産手続き開始決定を受けました。 東京商工リサーチによると、決定日は2月12日付で、負債総額は約20億円にのぼるとされています。
SPACE WALKERは2017年に東京理科大学発のベンチャーとして設立され、再使用を前提とした有翼式小型ロケットの開発に取り組んできました。 スペースシャトルのような翼を持つ機体を繰り返し運用することで打ち上げコストを下げ、30年ごろの有人宇宙飛行の実現や、2040年代には東京―ニューヨーク間を約40分で結ぶ超高速移動の構想も掲げていました。
同社は、文部科学省の中小企業向け補助制度「中小企業イノベーション創出推進事業」に採択され、国の支援を受けながら開発を進めてきました。 しかし、政府が支援対象を絞り込む過程で、2024年に同事業から外れることになり、補助金が途中で打ち切られました。 その後、資金調達は難航し、2025年6月期には売上高約5200万円に対して約16億円の赤字を計上するなど、債務超過が拡大していたとされています。
資金繰りの悪化を受け、同社は2025年にはロケット本体の開発から撤退し、これまで培った宇宙開発技術を生かしたロケット部品やコンポーネント製品の開発へと事業の軸足を移しました。 福島県南相馬市や千葉県野田市、長崎県平戸市などに開発拠点を設けて研究開発を続け、人員削減や業容縮小も進めましたが、資金繰りは限界に達し、今回の破産に至ったとみられます。
大学発ベンチャーとして期待を集め、国の補助金も活用しながら開発を加速させてきた同社の破綻は、リスクの大きい宇宙ビジネスにおける資金調達や、公的支援のあり方にも一石を投じる出来事となっています。
宇宙ベンチャー支援とリスク 再使用型ロケット開発の行方
SPACE WALKERは、再使用可能な有翼ロケットの開発を掲げ、大学や大手重工メーカーの技術者と共同研究を進めてきました。 再使用型ロケットは打ち上げコストの低減や高頻度運用が期待されており、海外勢が先行する中で、日本発の技術で対抗する試みとしても注目されていました。 一方で、多額の開発資金を長期にわたり投じる必要があり、事業化までのハードルは高い分野でもあります。
今回の破産では、国の補助事業から外れたことで、新たな投資を呼び込むことが難しくなった点が大きな転機になったと指摘されています。 公的支援を前提に研究開発体制を構築したベンチャーにとって、採択の有無や継続の判断は、事業継続に直結するリスクにもなり得ます。宇宙関連分野では、技術的な難易度に加え、資金調達環境や政策動向が事業の命運を左右する構造が改めて浮き彫りになりました。
政府は宇宙基本計画などを通じて民間参入を後押ししてきましたが、今回の事例は、長期的な視点での支援設計や、技術の実証段階までをどう支えるかという課題を示しています。 同様に大学発ベンチャーの側も、公的資金に過度に依存しない資金調達の多様化や、事業ポートフォリオの構築が一層求められそうです。再使用型ロケットや宇宙輸送の分野では、他社による開発も続いており、SPACE WALKERが目指したビジョンをどのように引き継いでいくのかが、今後の焦点となります。












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