家具大手の「ニトリ」がアメリカ事業から撤退 赤字拡大によるものか

2013年、家具大手の「ニトリホールディングス」はアメリカに1号店を出店し、2017年には5店舗を展開しています。しかし、2023年度をめどにアメリカでの事業から撤退することを発表しました。アメリカに現在展開している2店舗を、2023年4月までに閉店する見通しです。

アメリカ事業撤退の理由についてニトリは、「現在の経済状況下での収益性改善が難しく、今後、有望な市場と捉える東アジア・東南アジア地域への資金・人材の再配置するため」と述べています。

なお、アメリカへの事業進出については、当初から苦戦を強いられていた様子で、事業の立て直しも叶わなかったために、今回の事業撤退に至っています。

ニトリのアメリカ進出はうまくいっていなかった

インテリア小売業大手のニトリは、「アキホーム(Aki-Home)」というブランド名でアメリカに進出しました。ディストリクト・アット・タスティン・レガシーSCのアキホームは840坪、アメリッジ・ハイツ・タウンセンターSCのアキホーム・フルトン店は560坪、という広い敷地で店舗を展開しています。

進出した当時は、アメリカ国内に1,000店舗展開を目標としており、実際に数年おきに新規店舗をオープンしていました。しかし、6店舗目のアキホームを展開したところで、トーレンス店、フルトン店、チノ店、フォンタナ店の4店舗を閉店。

アキホームの閉店理由は明らかになっていませんが、集客に苦労していたことや値引き販売を繰り返していたことから、赤字拡大が原因だと予想されています。

日本でのニトリの経営実績

ニトリホールディングスは3月31日、2022年2月期本決算を発表しました。「売上高8,115億円、営業利益1,382億円」という結果で、35期連続増収増益を達成しています。

ニトリホールディングス代表取締役会長の似鳥昭雄氏は、「今回の決算で上場後でも32期連続増収増益ウォルマートに並んで世界一になった」と決算会見で述べました。

この結果だけを見ると、日本でのニトリの経営は好調のように思えますが、2021年度末の計画値では「売上高8,736億円、営業利益1,439億円」としていたため、業績は未達に終わっています。未達に終わった原因としては、原価高が利益を圧迫しており、利益を出しにくくなっているためだと予想されています。

そして、2023年決算では決算期を従来の2月から3月に切り替え、1ヶ月分の売上が上乗せされた状態で、今期予想は「売上高9,636億円、営業利益1,506億円」という見通しです。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 反捕鯨団体「シー・シェパード」の元代表、ポール・ワトソン容疑者が21日、デンマークの自治領グリーンラ…
  2. 日産自動車が25日に発表した2024年4-6月期の連結決算は、営業利益が前年同期比99.2%減の9億…
  3. YOSHIKIが1.1億円などを求める名誉毀損裁判の第3回口頭弁論
    X JAPANのリーダー・YOSHIKI氏が所属する音楽事務所・ジャパンミュージックエージェンシー(…

おすすめ記事

  1. 2023-11-6

    運転免許の更新講習がオンライン化 ゴールド免許以外でも利用可能に

    北海道、千葉県、京都府、山口県の4道府県で、運転免許の更新講習が新たにオンラインで可能になった試みが…
  2. 「血液型って4つだけ?組み合わせによって種類は数百万」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2024-3-27

    血液型って4つだけ? 組み合わせによって種類は数百万

    お父さんの血液型がAB型、お母さんがO型。お子さんがO型ってことあるの?血液型は4つしかないの?私た…
  3. 東京報道新聞が法務大臣から拝受した感謝状(2024年2月)

    2024-3-6

    法務大臣感謝状を拝受しました(更生保護事業への取り組みについて)

    2024年2月19日、株式会社東京報道新聞社は、法務大臣感謝状を拝受。法務大臣からの感謝状とは、「社…

【結果】コンテスト

東京報道新聞第5回ライティングコンテスト_結果発表

【終了】コンテスト

第5回ライティングコンテスト(東京報道新聞)

インタビュー

  1. 受刑者のアイドル・Paix²(ぺぺ)の北尾真奈美さんと井勝めぐみさん
    デビュー直後から精力的に矯正施設で「プリズンコンサート」を行い続けている女性デュオ・Paix²(ぺぺ…
  2. 過去に海外で行われたヨガ
    来たる6月21日に行われる「国際ヨガデー」。インドのナレンドラ・モディ首相の提案により、2014年に…
  3. ゴミ収集車の死亡事故による呼び捨てでの実名報道で訴訟を起こした品野隆史氏
    現在メディアでは、事件に関して疑いのある人の実名報道では「容疑者」を呼称でつけていますが、1989年…
ページ上部へ戻る