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元法務大臣・河井克行氏が収監を経て語る再起と責任。安倍外交から学んだ視点と次世代に伝えたいこと

2019年、元法務大臣である河井克行氏が、妻の案里氏と共に公職選挙法違反の容疑で逮捕された。河井氏は懲役3年の実刑判決を受け、法務大臣の経験者としては史上初めての受刑者となった。仮釈放されたのは2023年11月。現在では、安倍内閣時代に培った外交関係と実績を活かし、ブータンの首相国家顧問を務めている。今回は河井氏に、外交活動に対する想いや安倍元総理から学んだ外交のあり方、未来を担う若者に期待することなどについて詳しく話を伺った。
<目次>
逮捕・収監を経て、今も外交への復帰に意欲

法務大臣や内閣総理大臣補佐官、衆議院外務委員長、自民党国防部会長など、河井氏は国政において数々の要職を務めてきた。しかし、2019年に参院選広島選挙区にて買収事件が発生。公職選挙法に抵触しているとみなされ、河井氏は妻の案里氏と共に逮捕された。実刑判決を受けた河井氏は、栃木県さくら市の喜連川社会復帰促進センターに収監されることになり、合計で1,160日もの間、獄中生活を送った。
刑期満了は翌2024年であったものの、刑務所内での生活態度や更生への意欲などが考慮され、2023年11月に仮釈放された。そして2025年3月より、外交活動を通じて以前から交流のあったブータンの首相の国家顧問を務めている。現在は国政の中枢から退いてはいるものの、河井氏は今もなお外交活動に意欲的な姿勢を見せている。
ブータン首相国家顧問に就任。培った人脈が生んだ新たな役割
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安倍内閣時代、河井氏は外交面をサポートする内閣総理大臣補佐官に任命された。安倍元総理の首脳外交の“お遣い役”として各国を飛び回り、さまざまな国の政府要人と関係を築いてきたことが功を奏し、その縁は今もなお続いている。
公職選挙法違反の罪に問われたことがきっかけで、国内政治の第一線からは現在退いているものの、各国の政府要人たちは昔と何ら変わらずに河井氏と接している。そういった関係性に「感謝が絶えない」と話す河井氏は、国際社会において日本の存在感を示していくうえで、少しでも貢献できたらという想いを強く抱いている。
河井氏が初めてブータンを訪れたのはおよそ20年前で、国王に謁見する機会もあった。現首相のツェリン・トブゲイ氏とは家族ぐるみの付き合いでもある。
ブータンは、国民総幸福量(GNH)という独自の指標を定めている国としても知られている。近年では、インドとブータンの国境付近に位置し、2,500平方キロメートル以上に広がるエリアが、ブータンの特別行政区「ゲレフ・マインドフルネス・シティ(GMC)」と名付けられ、経済的発展に国を挙げて注力している。
このGMCをめぐって、ブータン政府は日本政府や日本企業に対して「ぜひ橋渡し役を担ってほしい」と、投資などの協力を呼びかけている。2025年3月、河井氏は正式にブータンの首相国家顧問に任命された。
ブータンは人口77万人の小国ながら、中国とインドという大国に挟まれているため、地政学的には非常に重要な国だ。今まで培ってきた人脈を活かし、海外との“架け橋”になるべく、河井氏は今日もまた外交活動に励んでいる。
「地球儀を俯瞰する外交」を目指して
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Webニュース専門チャンネル「ABEMA NEWS」や、経済動画メディア「ReHacQ」「ホリエモンチャンネル」などにも出演経験がある河井氏。収監された経験に基づく刑事政策の課題、安倍総理大臣の特命で要人たちと関係を構築したトランプ政権の実相などをテーマに、視聴者に自身の体験談を語っている。
トランプ相互関税がトークテーマのコンテンツの中で、トランプ大統領の第1期政権時代に安倍元総理が尋常ではない信頼関係を築いたことについて河井氏が触れたことがあった。
しかし、その動画のコメント欄では、「今さら安倍元総理の話をするなんて」「河井の頭は時計の針が止まってしまっている」などの声が。こういった認識を「誤っている」と、河井氏は明確に否定した。
河井氏は、安倍元総理の政治を間近で見てきた立場として、その外交手腕を今なお重要な研究対象と捉えている。過去の事例として片づけるのではなく、これからの外交や国際関係を考えるうえで改めて見直す価値があるという思いから、今後も積極的に学び続ける姿勢を持っている。
河井氏は著書「獄中日記 塀の中に落ちた法務大臣の1160日」の中で、日本の外交姿勢の違いに触れている。これまでの日本は受け身だったが、安倍元総理は能動的に提案する外交を展開した。
安倍元総理はトランプ大統領との間で、日本に不利益が及ばないような関係構築を戦略的に行ってきた。しかし国のトップが安倍元総理ではなくなった今、少なくとも日米関係は以前と同じとは言えない。
だからこそ河井氏は、自らの目で見て肌で感じてきた安倍元総理の外交を研究し、書籍などの形にして還元していきたいと考えている。自分1人が学びを深めるのでは意味がない、他者へ伝えていかなければいけない–––それが河井氏のスタンスだ。
安倍元総理を「世界的な指導者」「戦う政治家」と称する河井氏は、動画メディアに出演する際も、安倍元総理の手腕を語り続けていくつもりでいる。
安倍元総理の政治を間近で見てきた河井氏は、国のトップに立つ指導者のあり方についてこのように考えている。
「まず本質は、確固とした国家観、歴史観、社会観を持っていること。そして内政と外交の両面で国家戦略を練っていくこと」
外交は国家戦略を実行するための重要な手段である。安倍元総理の外交は、さながら地球儀を俯瞰するように全体を見渡した戦略的な手法だった。河井氏の出張も、そうした戦略の一環として位置づけられており、緻密に組み立てられた外交方針の中で役割を果たしていた。
そんな安倍元総理のそばで職務に当たっていた河井氏は、目的がはっきりとした仕事の数々にやりやすさを覚えていたという。
国政で培った知見を若者たちへ伝えたい

法務大臣として矯正行政を所管していた河井氏は、後に自らも受刑者として刑務所での日々を送ることとなった。制度を内側から見てきた立場から、今度は当事者として現実に向き合うことになったのだ。河井氏はこの経験を通じて日本社会の冷たさを実感した。
たとえばアメリカの場合、仮に興した会社が潰れたとしても、再チャレンジしやすい風潮がある。かたや日本の場合、一度失敗するともう元の道には戻れない。一度刑務所の中に入ってしまうと、その後社会とのつながりは断たれてしまう。そんな狭量な空気感が流れている。
道を誤ってしまった後、再挑戦するための機会が日本にはまだまだ足りていないというのが河井氏の見解だ。塀の“中”の改革だけでなく、塀の“外”の意識も変えていくことが、より良い社会の構築につながっていく。
河井氏は独房で過ごした日々の中で、自らの経験を特に若い世代に伝えたいと強く望むようになった。
「これからの時代を先導していく人々には、失敗や挫折を味わったとしても決して折れず、壁を突き破る根性で前に進んでいってほしい。そして社会を変えていってほしい」
そう語る河井氏自身の口調もまた、「絶対に折れない」という力強さに満ちていた。
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