
化粧品大手のコーセーが肌の老化プロセスに関する画期的な研究成果を発表しました。同社は16日、皮膚の加齢現象を連鎖的に拡散させる特殊なRNA分子「老化連鎖miRNA」の存在を世界で初めて確認したと明らかにしています。
miRNA(マイクロRNA)は細胞間でやり取りされる微小な遺伝子制御分子で、エクソソームと呼ばれる細胞外小胞に包まれて細胞から分泌されます。
この研究により、老化した真皮線維芽細胞から分泌される特定のmiRNAが、周辺の表皮細胞や血管内皮細胞に老化シグナルを伝播させるメカニズムが判明しました。実際にヒトの皮膚組織を用いた実験では、このmiRNAの作用によりエラスチン線維が断裂し、自然な加齢変化と同様の組織変性が確認されています。
さらに注目されるのは、ノイバラ果実エキスにこの老化連鎖miRNAの生成を抑制する効果がある点です。線維芽細胞への添加実験で明確な抑制作用が観測されています。
コーセーは今回の発見を基に、老化の連鎖反応を断ち切る革新的なスキンケア技術の開発を進める方針を表明しており、従来のアンチエイジング化粧品の概念を覆す新製品の登場が期待されています。
カンヌ国際化粧品学会で日本企業が相次いで研究成果を発表
フランス・カンヌで開催された第35回国際化粧品技術者会連盟学術大会において、日本の化粧品関連企業が相次いで研究成果を発表しました。
コーセーは「老化連鎖miRNA」の発見に加え、テイカとの共同研究による新たなコンシーラー素材「IOLTD」の開発成果も併せて報告しています。
IOLTDは酸化チタンと酸化鉄を組み合わせた複合粉体で、特に濃い肌色の人に対して高いカバー力と自然な仕上がりを両立できる革新的な素材として注目されています。この技術は、多様な肌色に対応する化粧品開発の新たな可能性を示しているのです。
また、化粧品原料メーカーの成和化成も3件のポスター発表を行い、表皮レチノールによる老化抑制メカニズムの解明、毛髪キューティクル保護技術、固体紫外線吸収剤のカプセル化技術など、幅広い分野での研究成果を披露しました。
特に表皮角化細胞内のβカロテン変換酵素BCO1の機能解明や、コーティングに頼らない新しいヘアケアアプローチの提案は、業界から高い関心を集めています。
今回の学会では、日本企業が基礎研究から応用技術まで多角的な視点で化粧品科学の発展に貢献していることが示され、国際的な技術競争力の高さを改めて印象付けました。


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