「青い瓶」ブルーボトル、ラッキン系ファンド傘下に 世界の店舗事業を買収へ

「青い瓶」ブルーボトル、ラッキン系ファンド傘下に 世界の店舗事業を買収へ

米国発祥のコーヒーチェーン「ブルーボトルコーヒー」の世界店舗事業を、中国コーヒーチェーン最大手「瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)」を傘下に持つ投資ファンドが買収することが分かりました。 中国のプライベート・エクイティファンド、センチュリウム・キャピタルがブルーボトルの大株主であるスイス食品大手ネスレと、一部事業の取得で合意したもので、買収額は4億ドル(約630億円)未満とみられます。 取引はブルーボトルが世界で展開するカフェ店舗事業が対象で、コーヒー豆やカプセルなどを扱う小売事業は今後もネスレが保有を続ける見通しです。

ブルーボトルは2002年に米カリフォルニア州で創業し、「サードウェーブコーヒー」を象徴するブランドとして知られています。 高品質なスペシャルティコーヒーと焙煎の鮮度を売りに、2015年には日本1号店を東京・清澄白河にオープンし、日本を含む米国とアジアで100店舗超を展開してきました。 2017年にはネスレが株式の68%を約4億2500万ドルで取得し、傘下入りしていましたが、今回の取引により、実店舗の運営権は中国資本へ移る形になります。

一方、センチュリウム・キャピタルはラッキンコーヒーの議決権の過半を握る筆頭株主で、中国国内の急成長ブランドを支える存在です。 ラッキンは2017年の創業以来、アプリ注文と低価格戦略で急拡大し、2026年2月時点で世界の店舗数は3万店に達しました。 出店ペースは米スターバックスの6倍とされ、中国本土の300を超える都市に加え、シンガポールやマレーシア、米国など海外にもネットワークを広げています。 コストパフォーマンス重視のラッキンと、高級志向のブルーボトルというブランドの組み合わせは、中国を中心とした世界のコーヒー市場で新たな競争軸を生み出す可能性があります。

今後は、ラッキン側のサプライチェーンやデジタル戦略を活用したブルーボトル店舗の運営効率化や、価格帯・顧客層のすみ分けが焦点となりそうです。 日本を含む既存店舗のブランド方針や価格設定、メニュー構成にどの程度影響が及ぶかについては現時点で明らかになっておらず、市場関係者は続報を注視しています。

コーヒー市場で進む再編とブルーボトルの行方

今回の買収は、世界のコーヒーチェーン市場で進む再編の一環としても位置づけられます。 中国ではラッキンのほか、低価格と大容量を武器にした韓国発「マンモスコーヒー」など、値頃感を前面に出した新興ブランドが台頭しており、既存大手との競争は激しさを増しています。 ラッキンの3万店到達は、国内外での大量出店とデジタル技術を活用したオペレーション効率化が支えたもので、同社の出店モデルは他ブランドの戦略にも影響を与えつつあります。

センチュリウム・キャピタルはこれまで、ラッキンに加え、コーヒーチェーンや飲食ブランドへの投資を通じて外食市場での存在感を高めてきました。 海外メディアによれば、ブルーボトル以外にも複数のコーヒーブランドを買収候補として検討してきたとされており、今回の取引はその一環とみられます。 今回ブルーボトルの店舗事業を取り込むことで、プレミアム層からマス層までをカバーするポートフォリオを構築し、世界市場での競争力を高める狙いがあると指摘されています。

一方、ネスレはブルーボトルのコーヒーマシンやカプセルなど小売商品を引き続き手元に残すことで、自社の家庭用・業務用コーヒー事業とシナジーを追求する構えです。 実店舗運営のリスクを軽減しつつ、ブランド力を活用した商品展開を続ける「軽資産モデル」へのシフトとも受け取れます。 日本市場では、ブルーボトルのブランドイメージや店舗体験を重視するファンも多く、運営側の変更がサービスや品質にどう反映されるかが注目されます。

今回の買収手続きの詳細なスケジュールや、各国店舗の運営体制の変更については今後明らかになる見通しで、コーヒー愛好家や外食産業関係者の関心が高まっています。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. ソニー系など35社、AI学習巡りアンソロピックを提訴 歌詞・楽譜の利用が争点に
    ソニーグループ傘下の米ソニー・ミュージックパブリッシングや、米ワーナー・ミュージック・グループ傘下の…
  2. モスクワにあるロシアの外務省
    ロシアは8月27日、英国がウクライナに対して長距離巡航ミサイルの技術供与を行っていることへの対抗措置…
  3. 軍事パレードで振られているウクライナの国旗
    ウクライナは8月24日、国家の独立35周年を祝う記念式典で、兵士や戦車の代わりに陸・海・空の無人兵器…

おすすめ記事

  1. 山口県岩国市にある女子刑務所

    2026-2-21

    平均年齢55歳、女子刑務所の知られざる日常。書道家が教える「幸福」の文字に受刑者は何を見たか

    山口県岩国市にある「岩国刑務所」は、中国地方では唯一の女子受刑者のみを収容している刑務所です。今回は…
  2. 2024-12-25

    日本最大規模の刑務所イベント、2024年全国矯正展をレポート!再犯防止を支える人たち〜職業訓練と就労支援〜

    年に一度開催される法務省主催の全国矯正展(全国刑務所作業製品展示即売会)。第64回となる2024年は…
  3. 沖縄刑務所の教育担当刑務官

    2025-11-18

    再犯防止のカギは“教育”にあり。沖縄刑務所で受刑者と向き合う教育担当刑務官の仕事とは

    刑務所の役割は単に自由を制限し、刑を執行することだけではありません。そこはまた、受刑者が自らの過ちと…

2026年度矯正展まとめ

2026年度 矯正展まとめ

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る