
半導体用フォトマスクの製造・販売を手掛けるテクセンドフォトマスク株式会社が10月16日、東京証券取引所プライム市場に上場しました。公開価格は仮条件の上限となる1株3,000円に決定し、想定時価総額は約3,000億円と、今年2番目の大型新規株式公開(IPO)案件となりました。
同社はTOPPANホールディングスのフォトマスク事業を分離独立する形で2022年4月に設立され、外販フォトマスク市場では世界シェア約38.9%を占める業界トップ企業として知られています。
同社が製造するフォトマスクは、半導体ウエハーに回路パターンを転写する際に使用される原版で、半導体製造において不可欠な部材です。世界8拠点に製造拠点を展開し、アジア、北米、欧州の主要半導体需要地域をカバーしています。特に、AIやデータセンター向けの先端半導体に使用されるEUV(極端紫外線)フォトマスクの生産にも対応しており、業界最先端の技術開発力を有しています。
今回のIPOによる調達資金は約195億円で、オーバーアロットメント分を含めると約1,566億円規模となります。調達した資金は、連結子会社のフォトマスク生産工場の設備投資や借入金の返済に充てられる計画です。二ノ宮照雄社長は、上場の意義について「市場のニーズを捉えた投資を俊敏に実行し、独立企業体として更なる成長と競争力の強化を実現したい」と述べています。
半導体市場は、AI、データセンター、自動運転などの革新的技術の普及により、2024年から2030年にかけて年平均成長率8.7%で成長すると予想されています。これに伴い、外販フォトマスク市場も同期間で年平均成長率8.7%の成長が見込まれており、同社にとって追い風となる市場環境が整っています。特に、半導体サプライチェーンの水平分業化に伴うファウンドリビジネスの拡大や、微細化に伴うマスク枚数の増加などが市場拡大を後押ししています。
独立企業体として成長戦略を加速
テクセンドフォトマスクは、TOPPANホールディングスが50.1%、独立系投資ファンドのインテグラルが49.9%を出資する合弁会社として設立されました。今回の上場により、独立企業体として経営の自由度を高め、迅速かつ柔軟な研究開発投資と設備投資を実行できる体制が整いました。
同社は中期事業目標として、売上高の年平均成長率約10%、営業利益の年平均成長率約20%を掲げています。具体的な成長戦略として、EUVマスクの開発・量産体制構築と、ミドルエンドの需要拡大に対応する生産ラインの拡充を重点施策として推進する方針です。特に、これまで内製されてきたEUVマスクの外販化を見据え、次世代マスク材料に関する共同開発を通じて、2nm以下向け材料開発を進めています。
二ノ宮社長は「先端領域の需要が今後さらに高まる中、グローバル生産体制と技術力を活かして市場をリードしていきたい」とコメントしています。上場により資金調達が容易になることで、変化の激しい半導体業界において競争優位性を確保し、持続的な成長を実現する考えです。








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