初めての沖縄開催!南国らしさあふれる「第40回九州矯正展」が開催

第40回九州矯正展が開催された沖縄コンベンションセンター

2025年12月13日(土)・14日(日)、九州矯正展が開催されました。九州矯正展とは、年に1度、九州矯正管区と沖縄刑務所が主催し、公益財団法人矯正協会刑務作業協力事業部が共催するイベントです。1982年に福岡刑務所で初めて開催されて以来、今年で記念すべき40回目を迎えました。

その舞台として選ばれたのは、史上初となる沖縄でした。2日間で延べ約6,500人もの来場者が詰めかけ、熱気に包まれた会場の様子をリポートします。

<目次>

九州矯正展とは

沖縄コンベンションセンターで開催された第40回九州矯正展
沖縄コンベンションセンターで開催

九州矯正展は、法務省が主唱する「社会を明るくする運動」の一役を担っているイベントです。

矯正施設に収容されている受刑者・少年の改善更生・社会復帰のため、矯正行政が果たしている役割や日々の教育活動、改善指導などを紹介。地域とのつながりを深め、受刑者や少年の社会復帰を支援することを目的としています。

具志堅用高氏によるテープカットで開幕

九州矯正展のテープカット
九州矯正展のテープカット

開会式には、沖縄が生んだボクシング界のレジェンド、具志堅用高氏が特別ゲストとして登場。宜野湾市長をはじめ、那覇地方検察庁検事正、九州矯正管区長、そして沖縄刑務所長と共にテープカットを行いました。ファンや市民が見守るなか、テープにハサミを入れると、会場は拍手に包まれました。

第40回九州矯正展に入場する来場者たち

初の沖縄開催を待ちわびた多くの方々が開場前から列を成し、スタートとともに足早で会場内へ入っていきました。

「南獄かりゆし」が好評だった即売会

南獄かりゆし
南獄かりゆし

会場でひときわ注目を集めていたのが、沖縄刑務所の「南獄(なんごく)かりゆし」です。沖縄の正装として愛される「かりゆし」は、沖縄の方言で「めでたい」「縁起が良い」を意味します。

正規の「かりゆしウェア」は、「①沖縄県産品であること」「②沖縄らしさの表現」という厳正な基準があり、沖縄県衣類縫製品工業組合による「認定タグ」がつけられます。受刑者がひと針ひと針縫い上げた逸品は、その確かな品質と職人技で、多くの来場者を魅了していました。

紅型(びんがた)ののれん
紅型(びんがた)ののれん

沖縄の伝統的な染色技術「紅型(びんがた)」を用いた刑務所作業製品も注目を集めていました。

琉球王国時代に王族などの衣装に用いられた紅型は、南国らしい鮮やかな色彩と大胆な模様が特徴。「紅(いろ)」と「型(もよう)」を名に持つこの技法は、型紙を用い、顔料や植物染料で花鳥風月を布の上に描き出します。受刑者が緻密な手作業で生み出した製品には高い芸術性が宿っていると感じました。

沖縄大学とのコラボ製品(ポーチ)
沖縄大学とのコラボ製品(ポーチ)

今回の展示で異彩を放っていたのが、沖縄刑務所と沖縄大学とのコラボ製品です。この製品を作ったきっかけは、沖縄大学のゼミ生が刑務所で対話型施設参観に参加したこと。 学生と刑務官が「刑務所作業製品に新しい風を吹き込めないか?」と話し合った結果、日用品として使いやすいポーチが誕生しました。

沖縄大学の学生(左)と富山教授(右)
沖縄大学の学生(左)と富山教授(右)

学生たちは当初、刑務所に「怖い」イメージを抱いていましたが、真摯に作業へ取り組む受刑者の姿に感銘を受けたといいます。 完成品は期待を上回るクオリティ。受刑者側からの提案も加わり、「昼の海」と「夜の海」の2種類のデザインが完成しました。

戦火を乗り越えて輝くタンス

沖縄刑務所で製作されたタンス
沖縄刑務所で製作されたタンス

1933年〜1934年頃に沖縄刑務所で製作されたタンスも展示されていました。タンスの鍵穴には、法務省の紋章である「五三桐(ごさんぎり)」の繊細な彫金細工。90年以上の歳月を経てもなお、美しい状態を保っており、丁寧な手仕事で作られた刑務所作業製品の丈夫さを実感しました。

タンスの寄贈のきっかけとなった実際のお手紙
タンスの寄贈のきっかけとなった実際のお手紙

展示に添えられたのは、持ち主の娘(当時90歳)から寄せられた一通の手紙。タンスは、生きていれば115歳になる母が嫁入り道具として手にしたものでした。戦時中は疎開で戦火を免れ、戦後は家族の転勤と共に各地を巡ったといいます。時代の変化により、一時は廃棄も検討されましたが、「最期は縁のある場所へ」と沖縄刑務所へ寄贈されました。

12月にかき氷を楽しむ姿も!南国らしいグルメブース

キッチンカー
キッチンカー

会場外のキッチンカーエリアも、多くの来場者で賑わいました。12月半ばとは思えない陽気も沖縄開催ならでは。かき氷を頬張る来場者の姿も多く見られ、南国・沖縄らしい開放感あふれるひとときとなっていました。

制服姿の子ども&白バイ乗車体験
制服姿の子ども&白バイ乗車体験

家族連れに最も人気を集めたのは、子どもたちが警察官などの制服を着用できるコーナーです。制服姿で白バイに跨がって誇らしげにポーズを決める子どもたち。その姿をカメラに収める親御さんの笑顔が絶えず、記念の1枚となったようです。

陶芸体験
陶芸体験

刑務作業のひとつである陶芸を体験できるコーナーは本格的です。丁寧な指導を受けながら「ろくろ」を回し、真剣な表情で土と向き合う多くの来場者の姿が見られました。成形した作品は乾燥させてその場で持ち帰ることができ、イベントの思い出が詰まったお土産となっていました。

紅型(びんがた)体験
紅型(びんがた)体験

また、伝統染色「紅型」を気軽に楽しめる体験コーナーも人気でした。塗り絵感覚で小さな子どもたちにも親しみやすく、遊びを通じて沖縄の伝統美に触れる、貴重な機会となっていました。

具志堅用高氏のトークショーで贈られたエール

具志堅用高氏トークショー
具志堅用高氏トークショー

トークショーには、元プロボクシング世界チャンピオンで、WBA世界ライトフライ級王座を13度防衛した伝説のボクサー・具志堅用高氏が登壇。「良い出会いを大切にし、諦めずに努力すれば夢は実現できる」と自身の経験を交えて語り、更生への歩みを後押しする力強いエールを贈りました。

また、展示製品についても「手頃な価格ながら品質が高く、心がこもっている」と、作り手の真摯な手仕事に深い感銘を受けていました。

警察官、自衛官、刑務官のトークショー
警察官、自衛官、刑務官のトークショー

警察官、自衛官、刑務官が揃い踏みする稀少なトークショーも開催されました。 「生まれ変わってもこの職に就きたいか」という核心に触れる問いから、訓練中の意外なエピソード、つい出てしまう職業病といった裏話まで、話題は多岐にわたりました。会場は時に笑いに包まれ、時に深く頷く観客の姿であふれていました。

沖縄民謡
沖縄民謡

郷愁を誘う沖縄民謡や、地元出身のシンガーソングライター・奏絵さんのライブ、さらに小禄高校ダンス部による力強いパフォーマンスなど、さまざまな演目が次々と披露されました。

九州矯正管区の概要

九州矯正管区の最寄駅はJR千早駅で、駅から徒歩10分弱の場所。JR千早駅はJR博多駅から電車で8分の場所なので、割と都心部に近い位置にあります。

所在地
〒813-0036
福岡県福岡市東区若宮5-3-53

アクセス
● 千早駅東口から徒歩8分
● JR 博多駅から3つ目の駅(JR 千早駅・快速停車)
● 福岡空港から 福岡市地下鉄で JR 博多駅へ
● 福岡インターから福岡方面へ福岡都市高速4号線
(下一般道)に沿って走り、松島交差点を右折する。
多々良中学校西交差点を右折する。

電話 092-661-1137(九州矯正管区代表)
FAX 092-663-1001

九州矯正管区フロントページ
https://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei08_00110.html

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