
住友生命保険は2月9日、出向中の社員が保険代理店8社から内部資料計780件を無断で持ち出していたと発表しました。持ち出されたのは、他社生保を含む保険販売実績、収益評価の仕組み、競合の商品見直し情報など、代理店の営業戦略に直結する社外秘情報で、わずか13人の出向者が関与していたとされています。
情報は私物スマートフォンで撮影して本社担当者に送信したり、紙の資料を直接渡すなどの手口で収集されました。本社側では20人以上の従業員が受領し、役員を含む最大約50人にメールなどで共有されていたといいます。
住友生命は、出向者が代理店側の承認を得ずに持ち出した情報を、本社側が確認せずに受け取っていたことを認め、「不正競争防止法に抵触するとの指摘は受けていない」としつつ、関係先への謝罪と社内処分の検討を進める方針です。
この問題は、2025年7月の日本生命による三菱UFJ銀行への情報不正取得が発端です。金融庁の要請を受けて業界全体で調査が広がるなかで発覚しました。日本生命は同年9月の調査結果で、7つの出向先から計604件の情報持ち出しを確認しています。
2026年1月には明治安田生命保険が、出向者5人による4代理店からの39件の情報持ち出しを公表しました。日本生命・明治安田に続く形で、第一生命保険でも計27の代理店で同様の不適切な持ち出しが確認されたといいます。
対象はいずれも主に銀行代理店で、顧客の個人情報ではなく販売実績や評価制度などの情報でした。業界内からは「銀行窓販における過度な競争が、情報モラルの崩壊を招いた」との指摘も出ており、生保各社のコンプライアンス体制だけでなく、銀行代理店モデルのあり方そのものが問われています。
銀行との関係悪化リスクも
住友生命の事件では、公表前の商品改正情報など競争上の機微な情報も含まれていたため、不正競争防止法だけでなく、独占禁止法上の「取引妨害」に当たる可能性が専門家から指摘されています。代理店である銀行が自由な立場で各社の商品を販売すべきところ、自社に有利な情報だけを密かに取得・活用していれば、他の保険会社との公平な競争や、代理店の自由な取引を阻害する恐れがあるためです。
実際、日本生命は不正問題後、銀行など営業部門への出向廃止の方針を公表しました。明治安田生命も3月末までに銀行への営業出向を取りやめています。銀行窓販ビジネスに支えられて拡大してきた生保各社の販売戦略を見直す動きが広がっており、銀行側からすれば「長年のパートナーによる裏切り行為」との認識につながり、関係修復には時間を要するとの見方も出ています。
金融庁が保険業法上のガバナンスや内部管理体制に加え、競争政策の観点から検証を強化するのは必至です。生保各社には、単なる個別不祥事の処理に留まらず、出向制度の構造的問題をどう解消するかという根本的な課題が突きつけられています。









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