ミラノ・コルティナ冬季五輪が閉幕、日本は冬季最多24個のメダル 次回2030年は仏アルプスへバトン

ベローナの古代ローマ時代の円形闘技場「ベローナ五輪アリーナ」

第25回冬季オリンピック・ミラノ・コルティナ大会の閉会式が22日夜(日本時間23日未明)、イタリア北部ベローナの古代ローマ時代の円形闘技場「ベローナ五輪アリーナ」で行われ、17日間の祭典が幕を閉じました。

日本は今大会で金5個、銀7個、銅12個の計24個のメダルを獲得し、前回北京大会の18個を大きく上回る冬季五輪史上最多記録を打ち立てました。金メダル5個は、自国開催だった1998年長野大会と並ぶ最多タイで、国外開催では過去最多となり、日本の冬季競技の層の厚さを改めて示した形です。

競技別では、スノーボードが9個、フィギュアスケートが6個とメダルラッシュをけん引し、全体の約6割をこの2競技で占めました。

スピードスケート女子の高木美帆選手(TOKIOインカラミ)は今大会で3個の銅メダルを獲得し、夏季を含めた日本女子の通算メダル数を10個に伸ばして、日本女子最多記録をさらに更新しました。
スノーボード女子ビッグエアでは村瀬心椛選手が、日本女子としてスノーボード競技初の金メダルに輝き、新たな歴史を刻みました。フィギュアスケートでは、ペアの三浦璃来・木原龍一組「りくりゅう」(木下グループ)が、日本勢として同種目初となる金メダルを獲得し、ペア種目の常識を塗り替える快挙となりました。

今大会は「持続可能性」を掲げ、イタリア北部の四つの会場群に競技を分散した広域開催方式を採用し、全8競技116種目が行われました。国際オリンピック委員会(IOC)によると、92カ国・地域の選手団と、ロシアとベラルーシ出身の個人中立選手(AIN)を合わせ、約2900人の選手が参加しました。
チケットは約130万枚が販売され、販売率は約88%に達したとされ、約1万8千人のボランティアが大会運営を支えました。

閉会式には日本選手約50人が参加し、フィギュアスケート女子で団体と個人の2つの銀メダルを獲得した坂本花織選手(シスメックス)と、スピードスケート男子の森重航選手(オカモトグループ)が日本選手団の旗手を務めました。

坂本選手と森重選手は一つの旗を一緒に持って笑顔で歩み、フィギュア女子で銅メダルの中井亜美選手(TOKIOインカラミ)らもスマートフォンで会場を撮影しながら入場するなど、和やかな雰囲気で大会最後の時間を楽しみました。「りくりゅう」の2人は、行進の途中で木原選手が三浦選手をリフトのように持ち上げるパフォーマンスを見せ、観客の注目を集めました。

古代円形闘技場の閉会式、仏アルプスの「新しい夜明け」へ

閉会式の会場となったベローナは、ミラノから東に約140〜150キロ離れた世界遺産の街で、「ロミオとジュリエット」の舞台としても知られています。コンセプトは「躍動する美」とされ、序盤は「リゴレット」「フィガロ」「椿姫」「アイーダ」などオペラの登場人物が次々と闘技場に現れ、音楽に合わせた演出で観客を魅了しました。ステージ中央には子どもや女性、高齢者の顔写真が次々に映し出され、「イタリアの顔」というメッセージを象徴的に表現しました。

このオープニングでは、日本出身でイタリアを拠点に活動する女優・市川純さんが「蝶々夫人」として出演し、選手たちを迎える一人として会場を盛り上げました。市川さんは熊本市出身で8歳からローマで暮らし、現在はイタリア国籍を持ち、「ハリー・ポッター」シリーズのチョウ・チャン役のイタリア語吹き替えなどで知られています。大阪・関西万博では、デザイナーのコシノジュンコ氏らとともにイタリアパビリオンのアンバサダーも務めており、今回の閉会式出演は日本とイタリアの縁を象徴する形ともなりました。

大会終盤には、次回2030年冬季大会の開催地となるフランス・アルプス地域への引き継ぎ式典が行われました。IOC総会では、フランス・アルプスと米国ソルトレークシティがそれぞれ2030年、2034年大会の開催地として承認されており、フランス側はオーベルニュ・ローヌ・アルプとプロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール両地域が連携して大会を開催する計画です。

2030年大会の演出コンセプトは「新しい夜明け」とされ、照明演出を通じてアルプスに再び五輪がやってくる喜びと期待が表現されました。国際オリンピック委員会(IOC)のカースティ・コベントリー会長はスピーチで、「新しい冬のオリンピック、未来につながる新たな基準を確立した」と今大会の意義を強調し、「世界はときどき忘れてしまうが、アスリートたちは尊敬や友情がどういうものかを示してくれた」と選手たちをねぎらいました。

式の終盤では、ミラノとコルティナダンペッツォの2カ所にともされていた聖火台の火が同時に消え、古代円形闘技場の夜空の下で、20年ぶり3回目となるイタリアでの冬季五輪が静かに幕を閉じました。
冬季パラリンピックは3月6日に開幕予定で、ミラノ・コルティナの舞台は、引き続きパラアスリートたちの挑戦の場として受け継がれていきます。

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