任天堂の米国法人、トランプ関税の返還求め提訴 違法判断受け企業側の動き加速

任天堂の米国法人、トランプ関税の返還求め提訴 違法判断受け企業側の動き加速

任天堂の米国法人「ニンテンドー・オブ・アメリカ」は現地時間3月6日、通商関連の紛争を専門に扱う米国際貿易裁判所(CIT)に提訴しました。トランプ政権が課した追加関税の返還を求め、米財務省・米税関・国境取締局(CBP)・米通商代表部などを相手取ったものです。

訴状では、トランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に発動した追加関税について「違法な大統領令に基づいて執行された措置により重大な損害を被った」と主張。既に支払った関税の全額返還と利息の支払いを求めています。訴状によると、IEEPAに基づく関税で米政府が輸入品から徴収した総額は2000億ドル超にのぼります。

背景にあるのは、今年2月20日に米連邦最高裁判所がIEEPAに基づく相互関税について「大統領権限の逸脱にあたる」として違法と判断したことです。同裁判所の判決を受け、国際貿易裁判所のリチャード・イートン判事は3月4日、輸入業者は支払い済みの関税の返還を受ける権利があると認定。これを受けて企業側の返還請求に向けた動きが加速しました。

ゲーム業界では、トランプ政権が2025年2月以降に課した追加関税が家庭用ゲーム機や関連機器に影響。任天堂は2025年6月に発売した「Nintendo Switch 2」について、米国での予約開始を当初の4月9日から延期せざるを得ませんでした。

本体価格は据え置いたものの、米国向け周辺機器の値上げを余儀なくされた経緯があります。任天堂は製造拠点をベトナムと中国に置いており、ベトナム製品には46%、中国製品には最大125%の高関税が課されていました。輸入業者として直接的な打撃を受けたことが、今回の提訴の根拠となっています。

返還請求訴訟が相次ぐ 通商政策の行方は不透明

今回の任天堂の提訴は、既に1000社超が連邦政府を相手に起こしているとされる関税返還訴訟の一つです。返還を求める訴訟は約2000件にのぼる可能性も指摘されています。コストコやFedExなども同様の訴訟を提起済みです。

最高裁判決を受けてトランプ大統領は、IEEPAに基づく相互関税を終了させる一方、通商法122条を根拠に世界各国からの輸入品に対して新たに15%の追加関税を課す措置に踏み切りました。

これに対しては米国内の24州が「再び大統領権限を逸脱している」として提訴しており、通商政策をめぐる法廷闘争はさらに拡大する様相です。企業側の返還請求の行方とともに、日米双方の通商政策の在り方が改めて問われることになりそうです。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 大阪府庁入口
    大阪府は9月1日、不動産投資商品「みんなで大家さん」を全国規模で展開・運営する都市綜研インベストファ…
  2. 新型「パジェロ」世界初公開 三菱自動車、7年ぶり復活で世界市場のブランド強化へ
    クロスカントリーSUV「パジェロ」の新型車が、9月2日に世界初公開。三菱自動車は、国内向け生産を20…
  3. アメリカ合衆国の国旗
    米財務省は8月19日、残存期間が10年から30年の長期名目利付国債を対象とした流動性支援目的の買い戻…

おすすめ記事

  1. 第38回月形矯正展(2025年)

    2025-10-27

    月形刑務所で年に一度のイベント「月形矯正展」施設見学やヒーローショーなど見どころが満載!

    「月形矯正展」は年に一度、北海道にある月形刑務所が主催のイベントで、2025年で38回目。毎年、さま…
  2. 鳥取矯正展で“知られざる堀の中の世界”を体感。7年ぶりの刑務所見学ツアーに長蛇の列

    2025-11-29

    鳥取地区矯正展で“知られざる堀の中の世界”を体感。7年ぶりの刑務所見学ツアーに長蛇の列

    2025年10月18日に開催された第44回「鳥取地区矯正展」をイベントレポート。主催は鳥取刑務所と鳥…
  3. 大分刑務所

    2025-11-16

    「ガラスペン」で有名な大分刑務所が対話重視の体制へ。法改正による変化の実態を刑務官が語る

    とんぼ玉やガラスペンなどのガラス工芸品を製作している大分刑務所。「ものづくり」に強みを持つ矯正施設は…

2026年度矯正展まとめ

2026年度 矯正展まとめ

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る