
大阪府警は3月6日、府内に住む60代の自営業男性が警察官をかたる特殊詐欺グループに暗号資産約4億4300万円相当をだまし取られる被害に遭ったと発表しました。被害額は令和以降に大阪府内で確認された特殊詐欺として過去最悪で、全国の警察が今年公表した警察官をかたる手口の被害としても最大規模とされています。
捜査関係者によると、男らは「警視庁渋谷署刑事課の野村」などと名乗り、架空のマネーロンダリング捜査への協力を装って資産の確認を求めていたということです。
被害が始まったのは昨年9月1日。男性の自宅固定電話に「警視庁渋谷署刑事課員」を名乗る男から「運転免許証を落としていないか、個人情報が悪用されているようだ」と電話がありました。不審に感じた男性は、最寄りの大阪府警察署へ相談。警察から「詐欺の電話なので、かかってきても対応しないように」とアドバイスを受けて帰宅しました。
帰宅後、再び渋谷署員を名乗る男から電話があり、男性が最寄りの警察署に相談したことを伝えると、「怪しむなら最寄りの署から電話させる」と言われました。
その後、先ほど相談した大阪の警察署と同じ番号がナンバーディスプレイに表示された状態で着信があり、相手は「先ほど署で対応した者です。渋谷署からの電話は詐欺ではありません。あなたにマネーロンダリングの疑いがかかっています」と説明。男性はこの言葉を信用するようになったそうです。
その後、電話とSNSを通じて「捜査のため資産をチェックする必要がある」「暗号資産に換金して送金してほしい、確認後に必ず返金する」と申し向けられました。SNS上のビデオ通話では、野村を名乗る人物が警察官の制服姿で映っていたという証言もあり、視覚情報と電話番号表示の両方を悪用して信頼を積み重ねる周到な手口でした。
今年1月下旬までの間に合計40回にわたり、男性は約4億4300万円相当の暗号資産を犯行グループの口座へ送金したということです。先月、似た手口の詐欺事件を知った男性が改めて警視庁渋谷署へ問い合わせて初めて詐欺に気づきました。
警察官かたり詐欺が急増 「資産調査」名目の要求は応じないで
大阪府警によると、警察官を名乗る特殊詐欺は近年急増しており、今年1〜2月に府警が認知した「警察官かたり」のオレオレ詐欺などの被害件数は約200件、被害額は約23億円です。昨年同期と比べて件数・被害額ともに倍以上となっており、高齢者や資産保有層を狙った手口が拡大している状況です。
今回の事件では、実在する警察署の電話番号を偽装して発信する「スプーフィング」と呼ばれる手法が使われた可能性も指摘されています。暗号資産は送金後の追跡が難しく被害金の回収が困難なことから、特殊詐欺グループが重視する手段になっているとみられます。
大阪府警は「警察が電話やSNSで資産の調査を名目に暗号資産への換金や送金を求めることは絶対にない」と強調。不審に感じた際は相手から知らされた番号ではなく、自分で調べた警察署の代表番号にかけ直して確認すること、そして一人で判断せず家族や警察に相談してほしいと訴えています。









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