
埼玉県立小児医療センター(さいたま市中央区)は3月11日、白血病治療として抗がん剤の髄腔内注射を受けた男性患者3人が重篤な神経症状を発症し、うち10代の1人が死亡したと明らかにしました。残る10代男性と10歳未満男児の2人は現在も意識不明の重体で、人工呼吸器管理の下、治療が続いています。
同センターによると、3人は2025年1月31日、3月26日、10月22日にそれぞれ背中から脊髄周辺に薬を投与する「髄腔内注射」を受けた後、大腿部の痛みや歩行困難などの神経症状を訴え、その後状態が急速に悪化しました。死亡した10代男性は、10月22日の注射翌日から大腿部の痛みなどの神経症状が出現し、やがて全身に広がって人工呼吸器管理となり、2026年2月6日に亡くなりました。
センターは同年11月11日以降、予定されていた全患者への髄腔内注射を全面中止。11月24日には外部有識者3人が参加する調査委員会を設置し、治療の工程や手順を詳細に確認しましたが、明確な問題は認められませんでした。
続いて12月25日に患者の髄液検査を分析機関へ依頼したところ、2026年2月25日に結果報告を受け、本来は髄腔内注射に使用されない抗がん剤「ビンクリスチン」が3人全員から検出されました。
ビンクリスチンは白血病などの治療に用いられる劇薬で、静脈注射には使われる一方、強い神経障害を起こす危険があるため髄腔内への投与は禁止されており、委員会はこの薬液が重篤な神経症状の原因となった可能性が高いと結論付けています。
なぜ混入したのかは現時点で判明していません。センターによると、ビンクリスチンは院内にあるものの、3人の調剤に使用された記録はなく、院内で保管しているビンクリスチンの量が減っているかどうかについても、「調査の段階なので答えられない」としています。
センターは事件と事故の両面の可能性があるとして3月10日に埼玉県警大宮署へ届け出ており、警察が本格的な捜査に乗り出しています。岡明病院長は11日の記者会見で「信頼して治療を受けていた患者や家族に申し訳ない」と謝罪しました。
捜査と再発防止に向けた取り組み
今回の事案では、使用されるはずのないビンクリスチンが投与経路に混入した点が、医療安全上の重大な警鐘となっています。調査委員会は通常の手順に明白な問題が見当たらないにもかかわらず重篤事案が3件発生した経緯を深刻に受け止めており、意図しないヒューマンエラーかそれ以外の要因かも含め、幅広い検証が必要との認識を示しました。
警察は、ビンクリスチンがどの工程で混入したのか、また故意性の有無や業務上過失致死傷容疑の適用可能性についても慎重に捜査するとみられます。センター側は外部有識者も交えた委員会体制を継続し、再発防止策の提言を受ける方針です。一連の捜査と検証の結果は、がん治療に携わる全国の医療機関が抗がん剤の取り扱いや確認体制を再点検する契機にもなりそうです。








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