インドの無人月探査機が月に到着してから1週間経過 太陽観測衛星の打ち上げに成功

インドが開発した無人月探査機「チャンドラヤーン3号」が、月の南極地域に史上初となる降下を遂げてから1週間が経過しました。その1週間の間に、地表において硫黄、アルミニウム、カルシウム、酸素など、多数の元素の存在が確認されました。

調査は順調に進んでいるようで、ミッションを担うインド宇宙研究機関(ISRO)は29日、探査車に搭載したレーザー機器を使って分析した地表の化学組成データをX(旧Twitter)に投稿しています。

地表の温度に関する観測結果も公表され、地表から2センチメートル上の部分では約60度を示していました。しかし、8センチメートルの深さに掘り下げると、温度は約マイナス10度になっています。

この観測結果について、ISRO職員のBH・ダルケシャ氏は「われわれ全員が地表面は20~30度くらいだろうと考えていたが、驚くほど高い」とのコメントを地元メディアに対して述べました。

調査は約2週間を予定しており、存在が予想されている氷の状態の水の確認も行われる見込みです。この水が確認できれば、将来的に飲料水や宇宙船の燃料としての利用が期待されます。シン科学技術担当閣外相も「月の地表付近の環境を根本的に理解し、将来の探査に向けた月面居住地の開発に不可欠だ」と強調しました。

ネット上では、「NASAが隠し通してた事実が遂に明るみに出る時が来たか」「氷を発見できれば快挙ですね」「日本より先に進んでいる」などの意見が寄せられています。

ISROは太陽観測衛星「アディティヤL1」の打ち上げに成功

ISROは2日、インド初となる太陽観測衛星「アディティヤL1」の打ち上げに成功しました。この衛星は、約4ヶ月かけて地球から約150万キロ離れた太陽周回軌道に達する予定です。

その目的は、地球上でオーロラを引き起こす「太陽風」の調査で、特定の「ラグランジュ点」に位置することで燃料消費を軽減させます。先月インドは、月の南極付近に「チャンドラヤーン3号」を着陸させました。モディ首相はインドの宇宙計画の存在感を強化したいとの意向を示しており、シャー内相は今回の打ち上げはモディ氏のビジョンに向けた「大きな一歩」になったと評価しました。

さらに、今回の打ち上げが化学分野での「ビッグバン」の可能性があると、ソマク・レイチャウドフリ氏は称賛しています。高エネルギー粒子の影響を受ける通信衛星へのリスクを指摘し、「アディティヤL1」の調査は非常に重要性があると強調しました。今後の「アディティヤL1」の動向に注目が集まります。

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