イーロン・マスク氏率いるスペースX、史上最大規模のIPOを申請か

イーロン・マスク氏率いるスペースX、史上最大規模のIPOを申請か

起業家イーロン・マスク氏が率いる米宇宙開発企業スペースXが、米国で新規株式公開(IPO)を申請したことが明らかになりました。 米証券取引委員会(SEC)には、株式数や公開価格、詳細な財務情報を秘匿した「非公開(コンフィデンシャル)」形式で書類を提出したとされています。 早ければ2026年6月にも上場する可能性があり、調達額と企業価値の規模から「史上最大のIPO」になるとの見方が強まっています。

スペースXは2002年創業で、再使用型ロケットの打ち上げ事業に加え、衛星インターネットサービス「スターリンク」を展開し、すでに世界各地で通信サービスを提供しています。 マスク氏は電気自動車大手テスラの最高経営責任者(CEO)でもあり、生成AI企業xAIやSNS「X(旧ツイッター)」なども率いており、宇宙・AI・SNSを横断する事業群の中核としてスペースXの位置づけを強めています。

米ブルームバーグや日本経済新聞などによると、スペースXはIPOで最大750億ドル(約12兆円)規模の資金調達を目指しているとされます。 2019年にサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが上場時に調達した約294億ドルを大きく上回る可能性があり、達成されれば過去最大のIPOとなります。 調達額には新規発行株に加え、一部既存株主による売り出し分も含まれる見通しです。

未上場時点でのスペースXの評価額は、2026年2月時点で約1兆2500億ドルと伝えられており、IPOでは時価総額1兆7500億ドル(約280兆円)を目標とする報道も出ています。 実現すれば、テスラや米メタ(旧フェイスブック)を上回る規模となり、世界の上場企業の中でもトップクラスの「超大型銘柄」となります。

マスク氏は、IPOで得られる巨額資金をAI開発に重点的に投じる計画とされ、半導体やデータセンターなどのAIインフラを自社で整備する構想を掲げています。 将来的には、軌道上の衛星群を活用してAIのデータ処理を行う「宇宙データセンター」の構想も取り沙汰されており、宇宙ビジネスとAIを一体で拡大する戦略が注目されています。

メガIPOに金融機関が結集、日本のみずほも参画

近年にない規模の「メガIPO」となる見通しから、引受シンジケートには多数の金融機関が名を連ねています。 関係者によると、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループの米大手5社が主幹事を務める予定です。 これに加え、少なくとも21社の金融機関が引き受け団に参加する見込みで、近年でも最大級の陣容になると報じられています。

日本勢では、みずほフィナンシャルグループが幹事証券として参画する方向で調整しており、日本の機関投資家や個人投資家の需要を積極的に取り込む狙いがあるとみられます。 新たに市場に流通する株式のうち、個人投資家への割り当て比率は通常より高い約3割を見込む報道もあり、マスク氏が個人マネーを重視している姿勢がうかがえます。

スペースXは、上場後できるだけ早期に主要株価指数の構成銘柄に採用されることを目指し、大手指数算出会社に働きかけを行っていると伝えられています。 S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出するS&P500種株価指数では、これまで条件としていた「上場から1年経過」の緩和を検討しているもようで、ルール見直しが実現すればスペースXが早期に組み入れられる可能性があります。 また、米ナスダックは個人投資家に人気の「ナスダック100指数」について、時価総額の大きい銘柄に限り上場後15営業日以降での採用を可能にする新ルールを5月から導入する予定であり、指数連動型商品の資金流入を通じて株価を下支えしたい思惑もうかがえます。

AI分野では、オープンAIやアンソロピックなど有力スタートアップも2026年内のIPOを検討しているとされ、マスク氏はこうした競合に先んじてスペースXを上場させることで、AIインフラ投資の資金面で優位に立とうとしているとみられます。 史上最大規模とされる今回のIPOが、宇宙ビジネスと生成AIの競争地図をどこまで塗り替えるのか、市場の関心が高まっています。

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