エミレーツ航空、戦火長期化でドバイ行き便が「ガラ空き」に 運航維持に苦境

エミレーツ航空、戦火長期化でドバイ行き便が「ガラ空き」に 運航維持に苦境

アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空のドバイ行き国際線で、機内の多くの座席が空席のまま飛ぶ便が相次いでいることが分かりました。 米国/イスラエルとイランの戦争が長期化し、ペルシャ湾岸地域への渡航需要が急減していることが背景にあります。

同社は戦争前、ドバイ国際空港を拠点に1日数百便規模のネットワークを展開していましたが、空域閉鎖や需要低迷の影響で運航停止や減便を余儀なくされました。 3月上旬にはドバイ発着の全便を一時停止する措置が取られ、利用者に対しては後日の代替便への振り替えや払い戻し対応が案内されています。

需要急減の背景には、空港そのものが攻撃対象となっている厳しい治安情勢があります。3月16日にはドバイ国際空港近くの燃料タンクが無人機(ドローン)攻撃を受けて火災が発生し、同空港を発着する全ての便が一時停止しました。 現地当局は「乗客と職員の安全確保」を理由に空港閉鎖を決定し、その後、段階的に運航を再開しています。 こうした状況は、ドバイをハブとして利用する乗り継ぎ客を含む旅行者の不安を高め、予約済みでも搭乗を取りやめる「ノーショー」の増加につながっているとみられます。

一時全便停止から限定再開へ 中東発着便の欠航長期化で観光需要に影

エミレーツ航空は、空域閉鎖を受けてドバイ発着便の運航を全面停止した後、帰国支援便や貨物便を限定的に運航しながら、段階的な再開を模索してきました。 3月2日以降、一部路線で限定運航を再開したものの、対象は限られており、確定した予約を持つ乗客を優先する方針が示されています。 こうした「限定再開」にとどまる状況では、ドバイへ向かう便の搭乗率が回復しない一方、UAEから出国する便に需要が集中し、片道だけ混雑するいびつな需給が続いています。

中東情勢の悪化は、域内全体の航空ネットワークにも大きな打撃を与えています。戦争開始後、数万便規模で中東発着便が欠航したとの試算があり、各国の航空会社株の急落や運賃の上昇が報じられています。 日本発着の中東便や欧州行きツアーにも影響が及んでおり、現地で足止めとなる旅行者も出ています。

エミレーツ航空は自社サイトで最新の運航情報を更新し、確定した予約の有無を必ず確認するよう呼びかけていますが、戦闘の長期化と安全への懸念が続く限り、観光やビジネス渡航の本格回復には時間がかかるとの見方が強まっています。

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