
新たな希望の光が、腎臓がん治療の世界に差し込みました。それは「がんワクチン」と呼ばれる個別化免疫療法です。
米国ボストンのDana-Farber Cancer Instituteが実施した第I相試験では、9人の腎臓がん患者に対し、この革新的な治療法が試されました。その結果は驚くべきものでした。治療から3年が経過した今も、参加者全員ががんのない状態を維持しているというのです。
従来の感染症ワクチンとは異なり、がんワクチンは既にがんを発症した患者に投与されます。患者の免疫系に、がん細胞を攻撃するよう働きかけるのが目的です。
治験に参加した患者は全員、まず腫瘍の大部分を切除する手術を受けました。切除された腫瘍は研究所で詳細に分析され、それぞれの患者に合わせたオーダーメイドのワクチンが開発されたのです。
このワクチンの投与により、手術後に体内に残存する可能性のあるがん細胞を、免疫システムが確実に攻撃できるようになります。がん治療の新時代を告げる、画期的なブレークスルーとなるかもしれません。
ブラウン医学博士「従来の腎臓がんワクチンとは一線を画すもの」
論文の第一著者であるデイビッド・A・ブラウン医学博士は、今回のアプローチが従来の腎臓がんワクチンとは一線を画すものだと強調しています。
「私たちは、がん特有で正常な組織とは異なる標的を選び、免疫系を非常に特異的な方法でがんに向けることができました。どの特定の標的が免疫攻撃を受けやすいかを学び、このアプローチが長期間続く免疫反応を引き起こし、免疫系にがんを認識させることが可能であることを示しました」と説明しています。
今回の試験対象者は9人と少数ですが、進行期の腎臓がんにおいて全員が無病状態を維持しているという事実は、大きな希望となるでしょう。デイビッド・A・ブラウン博士は、「この研究が、腎臓がんにおけるネオアンチゲンワクチンの開発に向けた強固な基盤になる」と期待を寄せています。
ネット上では、「取り切れなかった癌への対策や再発防止には心強いね」「素晴らしい成果です」「楽観的すぎると思いました」「コロナワクチンの真実がわかり何のワクチンも一切信用出来ない」など、さまざまな意見が寄せられています。