トランプ大統領、トランスジェンダー女性の女子スポーツへの参加を全面的に禁止

ドナルド・トランプ大統領がトランスジェンダー女性の女子スポーツへの参加を全面的に禁止する大統領令に署名したことで、スポーツにおけるジェンダーの扱いをめぐる議論に再び火がつきました。
ドナルド・トランプ氏は「この大統領令により、女子スポーツをめぐる戦争は終わった」と豪語しましたが、その根拠には疑問符がつきます。トランスジェンダー選手の優位性を示す明確なエビデンスは乏しく、むしろ差別を助長しかねない政治的パフォーマンスとの批判も根強いのです。
トランプ政権は以前からトランスジェンダーの権利を制限する方針を打ち出しており、今回の措置はバイデン前政権の立場とは真逆のものとなります。トランスジェンダーのアスリートが不当な優位性を持つという主張もありますが、研究結果はそれを裏付けていません。
トランスジェンダーのアスリートをめぐる議論は複雑で、科学的知見も十分とはいえないのが現状です。スポーツが持つ可能性と価値を、多様性を尊重しながら最大化していくための議論が求められています。
ネット上では、「これは当たり前」「よくぞ言ってくれた」「トランスジェンダーであろうと肉体的には男性である以上、女性と競わせるのは不公平であり危険」などの意見が寄せられています。
NCAAが規定を改定 出生時の性別が女性である選手のみに限定
ドナルド・トランプ氏によるトランスジェンダー選手の女子スポーツ参加を禁じる大統領令を受け、NCAA(全米大学体育協会)は規定を改定し、出生時の性別が女性である選手のみに女子競技への出場を限定すると発表しました。
この決定は、スポーツにおける公平性とジェンダー・アイデンティティの尊重という、相反する価値観の間で揺れるスポーツ界の難しさを浮き彫りにしています。画一的な排除ではなく、科学的知見に基づいた冷静な議論を重ね、可能な限り多くの人々がスポーツに参画できる環境の整備が求められます。
世界陸連のコー会長も「女子競技の公正さを保つことは陸上競技の基本原則であり、明確で曖昧さのない方針を確立することが重要な第一歩だ」と、自身のSNSでドナルド・トランプ氏の方針に支持を表明しました。
コー世界陸連会長は、陸上の元五輪金メダリストでIOC委員です。世界陸連はトランスジェンダー選手の女子競技出場を禁止しており、ドナルド・トランプ氏の大統領令を支持しています。