トランプ大統領、就任後1ヶ月で100本を超える大統領令に署名 選挙公約の半分以上に着手

ドナルド・トランプ氏が2期目の大統領に就任してからわずか1ヶ月で、選挙公約の半分以上に着手し、100本を超える大統領令に署名したことが明らかになりました。
就任直後から矢継ぎ早に大統領令を発令したドナルド・トランプ氏ですが、その内容は多岐にわたります。連邦政府業務の見直しと多様性・公平性・包摂性(DEI)の修正に関するものが25本、不法移民対策が12本、関税・経済関連が9本などとなっています。
興味深いのは、実業家のイーロン・マスク氏が旗振り役となって取り組んでいる連邦政府業務の見直しとDEI修正に関する大統領令が、全体の4分の1近くを占めていることです。ドナルド・トランプ氏とイーロン・マスク氏は、X(旧Twitter)上で度々コミュニケーションを取っており、イーロン・マスク氏のことを「影の大統領」と呼ぶ声も上がっています。
ドナルド・トランプ氏は2026年の中間選挙を見据え、早い段階で支持者にアピールできる実績を築こうとしているのかもしれません。就任1ヶ月で実行に移した施策の大半は、保守層の支持を集めるものばかりでした。
一方で、パナマ運河の奪還やグリーンランドの買収、パレスチナ自治区ガザの「所有」を示唆するなど、従来の米国の方針を覆すような過激な主張も見られました。
ドナルド・トランプ氏の就任直後の支持率は47%と前回よりは上昇したものの、歴代大統領と比べるとまだ低い水準にあります。大統領令の連発が、かえって政権の混乱を招くリスクも指摘されています。
トランプ大統領、ロシアのプーチン大統領の主張に同調
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領の正統性に疑問を呈し、早期の大統領選実施を求めています。ドナルド・トランプ氏までもが、この主張に同調する姿勢を見せています。
ロシア側の真の狙いは、ゼレンスキー大統領の退陣と親ロシア政権の樹立にあるとみられます。2022年2月の侵攻開始以降、ウクライナでは戒厳令下で選挙が実施されておらず、ゼレンスキー大統領は2024年5月の任期満了後も特例的に大統領職に留まっているのが現状です。
しかし、汚職問題などを背景に、ゼレンスキー大統領の支持率は低下の一途をたどっています。仮に大統領選が行われれば、同氏の敗北は避けられないとの観測が広がっています。
ゼレンスキー大統領は2月19日の記者会見で続投への意欲を示す一方、ドナルド・トランプ氏を「偽情報の空間に住んでいる」と一蹴。しかし、支持率調査ではザルジニー前軍総司令官に抜かされており、窮地に立たされた同氏は権威主義的な姿勢を見せ始めてもいます。
米ロの和平計画には、停戦後の大統領選実施が盛り込まれているとの情報もあり、ロシアによる長期的な工作の中で、ウクライナ情勢はさらなる混迷を深めていくと予想されます。ゼレンスキー政権の行方は、国際社会の動向とともに注視していく必要がありそうです。