初の米国出身教皇誕生 「レオ14世」として教会内融和に期待 第267代教皇

ローマ教皇庁(バチカン)は5月8日、カトリック教会史上初となる米国出身の教皇を選出しました。ロバート・フランシス・プレボスト枢機卿が4回目の投票で必要票数を獲得し、「レオ14世」の名で第267代教皇に就任します。

サンピエトロ広場に集まった15万人以上の信者を前に、新教皇は「皆さんに平和がありますように」とイタリア語で初の挨拶を行い、前任のフランシスコ教皇への感謝の言葉も述べました。

ロバート・フランシス・プレボスト氏の経歴は国際的な視野を持つ宗教指導者としての資質を示しています。南米ペルーでの宣教師・司教としての長年の奉仕を通じて、貧困層や移民といった社会的弱者に寄り添う姿勢を貫いてきました。

新教皇は異宗教間の対話や寛容性を重視するフランシスコ路線を基本的に継承すると見られていますが、同性カップルへの祝福など一部のリベラルな改革については慎重姿勢を示す可能性もあります。

前教皇のリベラル政策によって深まった教会内のリベラル派と保守派の対立を修復できる「バランス感覚」が、今回の選出の決め手になったともいわれています。

5月7日に開始された今回の教皇選挙会(コンクラーベ)は、フランシスコ教皇が4月に死去したことを受けて開催されました。

当初は明確な本命不在と言われる中、ロバート・フランシス・プレボスト氏は中南米と北米の枢機卿たちの支持を固めることで勝利に至ったと見られています。

ロバート・フランシス・プレボスト氏の経歴

米国シカゴに1955年に生まれたロバート・フランシス・プレボスト氏は、27歳で司祭となった後、南米ペルーに派遣され、約20年間をそこで過ごしました。この国際的な経験が、米国出身者への従来の警戒感を払拭する一因となりました。

貧困層や移民に寄り添う姿勢はフランシスコ前教皇と共通点があり、「司教は自分の王国に座す小さな王子であってはならない」と語っています。

2023年にはフランシスコ前教皇から司教省長官に任命され、世界各国のカトリック教会司教の選任・管理を担当。気候危機については「言葉から行動に移す時だ」と主張する一方、同性カップルの「祝福」についてはアフリカの司教らの慎重意見にも理解を示し、候補者の中では中道派と評価されていました。

また、「レオ14世」の名は、歴史的に重要な「レオ1世」に由来します。レオ1世(在位440~461年)は「大教皇」と称され、ローマ・カトリック教会とローマ教皇の権威を大きく高めた人物です。

カトリック教会史において「大教皇」と呼ばれるのは、レオ1世とグレゴリウス1世のわずか2人だけという特別な存在です。正式には「ローマ司教レオ1世」と呼ばれることが多く、その詳細な伝記は不明な点が多いものの、教会の統一と権威確立に大きく貢献しました。

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