
日産自動車が4月24日、2024年度の業績予想を大幅に下方修正し、過去最大となる最大7,500億円の最終赤字を見込むことを発表しました。これは同社が経営危機に陥った1999年度の6,843億円を上回る規模です。
修正の主な要因は、米国など主力市場での販売低迷に加え、国内外の生産拠点の資産価値見直しによる5,000億円超の減損損失計上、さらには構造改革のための人員削減費用600億円以上の特別損失によるものです。
興味深いのは、売上高については当初予想の12兆5,000億円から12兆6,000億円へと上方修正している点です。
しかし、営業利益は1,200億円から850億円へと減少。最終損益は当初の800億円赤字予想から一気に7,000億円〜7,500億円の赤字へと大幅に悪化しました。
この厳しい状況に対応するため、日産自動車は4月にイヴァン・エスピノーサ新社長を迎え、経営体制を刷新しました。新体制では抜本的な経営再建策の実行が急務となっています。
加えて、提携先との戦略見直しや、トランプ政権による輸入車への関税強化策への対応も喫緊の課題です。日本の自動車大手として栄華を極めた日産自動車が、いかにして再建への道筋をつけるか業界関係者の注目が集まっています。
世界生産台数10%減で減損 リストラ費用が業績悪化に拍車
日産自動車の2025年3月期世界生産台数は、前期比10.1%減の304万8,717台まで落ち込みました。この大幅な生産減少に伴い、工場設備などの資産価値見直しによる5,000億円超の減損損失と、米国・タイでの人員削減を含む600億円超のリストラ費用が発生しています。
業績悪化の根本的要因は、米国市場でのハイブリッド車など顧客ニーズに合った商品開発の遅れと、かつて強みだった電気自動車分野での中国メーカーとの競争激化です。
経営基盤強化を目指したホンダとの経営統合構想も2月に破談となり、日産自動車の経営状況は一層厳しさを増しています。
ネット上では、「日産の経営低迷は、これまでの経営陣の怠惰な経営戦略の失策も一因ではないかと思います」「今後の技術的構想力のある人が上に立たなければ乗り切れないのではないか」「これだけの赤字負債を抱えEVで反転てあり得ない」などの意見が寄せられています。