
日本銀行が1日に発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、代表的な指標である大企業製造業の業況判断指数(DI)がプラス14となり、前回6月調査のプラス13から1ポイント改善しました。改善は2四半期連続で、2024年12月以来の高水準に達しています。
短観は、日本銀行が四半期ごとに全国約1万社の企業経営者を対象に実施する景気調査です。業況判断DIは「景況が良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いて算出され、日本経済の現状を把握する重要な先行指標として位置づけられています。
今回の短観は、トランプ米政権による高関税政策を巡る日米交渉が合意に達した後、初めての調査となりました。当初想定された厳しい関税措置が15%の相互関税率に落ち着き、企業の警戒感が大幅に後退したことが景況感の押し上げに寄与しています。
業種別では全16業種中9業種が改善を示し、悪化は5業種、横ばいは2業種でした。自動車業界は2ポイント改善のプラス10となり、造船・重機は9ポイント改善のプラス36、電気機械は5ポイント改善のプラス16となりました。電気機械の大幅上昇は、生成AI需要の高まりによる半導体関連の好調を反映しています。一方で、鉄鋼業界は11ポイント悪化のマイナス14となるなど、市況の弱さが影響する業種もみられました。
大企業非製造業の業況判断DIは、前回から横ばいのプラス34を維持。建設業や物品賃貸業などで改善がみられたものの、宿泊・飲食サービス業は、インバウンドの増勢鈍化や物価高による消費の慎重化などから19ポイント悪化のプラス26となりました。設備投資計画については堅調な伸びが続いており、2025年度の大企業製造業では前年比16.3%増、非製造業では10.4%増と2桁の成長を見込んでいます。
しかし、先行きについては慎重な見方が強まっています。大企業製造業の3か月後の業況判断DIは2ポイント悪化のプラス12となり、トランプ関税の影響が本格化することへの警戒感が示されました。雇用情勢では人手不足感が依然として深刻で、雇用人員判断DIはマイナス36と前回調査から1ポイント悪化しています。
企業マインド改善も先行き警戒感は根強く
今回の短観では企業のマインド改善が確認された一方で、将来に対する警戒感も同時に示される結果となりました。日米関税交渉の合意により当面の不透明感は後退したものの、15%の関税率は依然として企業収益への重荷となることが予想されます。
特に輸出比率の高い製造業では、今後本格化する関税の影響により収益圧迫が懸念されており、先行きDIの悪化に反映されている状況です。物価高による消費の足踏みも懸念材料として挙げられます。インバウンド需要の恩恵を受けながらも、国内消費の弱さがサービス業全体の重荷となっており、今後の景気回復には賃金上昇による消費拡大が不可欠といえるでしょう。









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