
ソニーグループ(ソニーG)が、テレビを中心とするホームエンタテインメント事業を分離し、中国テレビ大手TCLグループが51%を出資する合弁会社に承継すると発表しました。3月末までに最終契約を結び、2027年4月の事業開始を目指しています。
十時裕樹社長兼CEOの「聖域ない事業ポートフォリオ改革」のもと、ソニーGはゲームや音楽、アニメなどコンテンツIP事業を成長戦略の中核に据えています。同社を代表した事業の一つであるテレビ事業についても、今回の分離という形で構造改革に踏み切りました。
ソニーはテレビ分野で長年ブランドを牽引し、1960年の世界初のトランジスタテレビや2007年の世界初の有機ELテレビなど革新的な製品を生み出してきました。足元では、テレビやプロジェクターを含むディスプレー関連事業の売上高が減少傾向にあり、厳しい状況です。
背景には、ハードからコンテンツIP(知的財産)とサービスへと成長エンジンをシフトするソニーの中長期戦略があります。ソニーGは2018年のEMI Music Publishing買収など、音楽やゲーム、映画などコンテンツIPに約1.5兆円を投じ、過去6年間の戦略投資2.4兆円のうち約6割をIP関連に振り向けました。
事業ポートフォリオは明確に「コンテンツ×テクノロジー」軸へと移行。2025年末には「スヌーピー」で知られる「ピーナッツ」の権利を保有するPeanutsホールディングスの持分を追加取得し、保有比率を80%へ高める契約を締結するなど、キャラクターIPの獲得も加速させています。
かつてテレビは、映画やアニメ、ゲームを家庭に届ける「出口」として重要な役割を担ってきましたが、現在はその役割を配信プラットフォームが代替しつつあります。コンテンツを届ける主戦場がテレビ受像機からストリーミングに移るなかで、ハードウェアとしてのテレビ事業の優先順位は低下している状況です。
スマホ事業は次の焦点に 「構造変革・転換」領域の行方
ソニーGが掲げる中期戦略では、テレビと並んでスマートフォン事業も「構造変革・転換」領域に分類されています。地域ごとの販売体制の見直しや拠点削減などで効率化を進め、主要な構造改革は2026年度中に完了させる方針です。
今回のテレビ分離で同領域からテレビが事実上切り離されることになり、市場では「残るスマホ事業にも、売却や分離を含む抜本的な見直しがかかるのではないか」との観測も強まっています。
十時氏は株主総会などの場で、スマートフォンで培った通信技術や撮像技術について、クリエイターの制作ツールやイメージング機器との連携に活かすと説明しています。












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