
世界最大級のクラウドコンピューティングカンファレンス「AWS re:Invent 2025」が12月2日、米ラスベガスで開幕しました。基調講演に登壇したアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のマット・ガーマン最高経営責任者(CEO)は、人間の指示を待たずに自律的に行動する新たなAIエージェント群「Frontier Agents(フロンティア・エージェント)」を発表しました。これまでのAIアシスタントは、人間がチャット形式で指示を出し、その都度回答を得る「待ち」の姿勢が基本でしたが、今回発表されたエージェントはその概念を根本から覆すものです。
ガーマンCEOは、従来のAIチャットボットの時代から、AIが自ら考え行動する「エージェント」の時代への移行を強調しました。新システムでは、人間が最終的な「目標」を与えれば、エージェント自身がその達成に必要な手順や手段を考案し、実行に移します。特筆すべきは、その持続力と並行処理能力です。エージェントは複数のタスクを同時にこなしながら、数日間にわたって稼働し続けることが可能です。
具体的に発表されたサービスの一つである「Kiro autonomous agent」は、開発者のチームメンバーのように振る舞う自律型エージェントです。コードの修正や機能追加といったタスクを与えられると、システム全体の文脈を理解した上で作業を行い、開発者がより重要な設計業務に集中できる環境を作ります。また、セキュリティ分野に特化した「AWS Security Agent」や、システム障害の検知・対応を行う「AWS DevOps Agent」も同時に発表され、企業のIT基盤を支える重要な領域において、AIが人間のパートナーとして機能する未来が示されました。
「私たちが寝ている間も動き続ける」生産性の新次元へ
今回の発表で最も注目を集めたのは、AIエージェントがもたらす圧倒的な生産性の向上です。ガーマンCEOは講演の中で、「私たちが寝ている間も動き続け、朝起きた時には作業が終わっている。そんな世界が現実になった」と述べ、時間や人間の稼働限界にとらわれない新しい働き方を提示しました。
これらエージェントの特徴は、単独で動くだけでなく、異なる能力を持った複数のエージェントが連携できる点にあります。例えば、あるエージェントがプログラムを書き、別のエージェントがその安全性をチェックするといった具合に、AI同士で仕事を手分けしてプロジェクトを推進します。これにより、「エージェントがより長い時間、独立して動けるほど、より高い生産性が得られる」というAWSのビジョンが具現化されています。
もちろん、AIが自律的に動くことへの懸念に対しても対策が講じられています。システムには安全性を担保するためのガードレール機能が組み込まれており、エージェントの行動が適切な範囲に収まっているかを常に監視する仕組みも提供されます。AWSは、AIを単なるツールから「信頼できるチームメイト」へと昇華させ、ビジネスの速度を劇的に加速させる狙いです。












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