東証、グロース市場の基準厳格化 2030年から時価総額100億円以上を要件に

東京証券取引所は26日、成長企業向けのグロース市場における上場継続要件の大幅な見直しを発表しました。新基準では上場から5年経過時点で時価総額100億円以上の維持が求められ、機関投資家の投資対象となる規模への早期成長を促します。

従来制度では上場10年後に40億円以上という緩やかな基準でしたが、今回の改定により期間が半分に短縮され、求められる時価総額は2.5倍に引き上げられました。新ルールは2030年3月1日以降、最初に迎える事業年度末から適用開始となります。

基準未達企業には1年間の猶予期間が設けられ、この間に改善できなければ監理・整理銘柄を経て上場廃止となります。

ただし、成長計画を開示した場合は例外的に上場継続が認められる措置も用意されており、計画期間に上限は設定されていません。

ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフストラテジストは「少数精鋭化が進む」と予測する一方、「成長期待の高い銘柄が時価総額基準で排除されるリスクもある」と慎重な見方を示しています。

併せてスタンダード市場への移行基準も緩和され、従来必要だった年間利益1億円以上という形式要件が撤廃されます。これにより企業が成長投資を優先しやすい環境が整備されます。

成長企業向け市場の位置付けと主要上場企業

上場維持基準の厳格化により注目が集まる東証グロース市場は、2022年4月の市場再編で旧マザーズと旧JASDAQグロースを統合して設立された新興企業向けの取引市場です。最大の特徴は、利益実績や財務内容よりも将来の成長性を重視する審査体制にあります。

プライムやスタンダード市場では必須となる売上高や純資産額などの収益指標が形式要件から除外されており、ビジネスモデルの革新性や市場拡大の可能性が評価の中心となります。

この制度設計により、創業間もないスタートアップや研究開発段階の企業でも、説得力のある成長戦略を示せば資金調達の機会を得られるのが特徴です。

ただし、上場企業には年1回以上の頻度で事業計画の進捗状況や成長見通しの詳細な開示が義務付けられています。

現在グロース市場には多様な業種の企業が名を連ねています。人材サービス分野ではシニア層の就業支援を手掛けるキャリアや、リゾート地特化型人材派遣のダイブ、航空業界からは独立系のスカイマーク、IT分野ではクラウド会計ソフトを提供するfreeeなどが代表的です。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 政府、ドローン国産化へ年8万台体制構築を目指す 2030年までに139億円規模の支援
    経済産業省は2030年にも、国内に年間約8万台の無人航空機(UAV)の生産基盤を確保する目標を公表し…
  2. OpenAI、ChatGPTに広告表示を開始へ 月額8ドルの新プラン「Go」が対象
    米オープンAIは16日、対話型AI「ChatGPT」のサービス内で広告の表示を始めると発表しました。…
  3. 韓国・尹錫悦前大統領に死刑求刑 非常戒厳めぐる内乱首謀罪で
    韓国で2024年12月に「非常戒厳」を宣言した尹錫悦前大統領に対し、特別検察官が死刑を求刑。内乱首謀…

おすすめ記事

  1. 網走刑務所で刑務作業を行う受刑者

    2025-7-21

    網走刑務所とはどんな場所?現役職員に聞いた歴史と受刑者の今

    強固な警備体制や凶悪事件の受刑者が収容されるイメージもある網走刑務所。映画やドラマなどの影響で、怖い…
  2. モー娘。北川莉央、活動休止継続を発表 12月復帰目指し準備進行中

    2025-9-12

    モー娘。北川莉央、活動休止継続を発表 12月復帰目指し準備進行中

    アイドルグループ「モーニング娘。'25」の北川莉央(21)が、当初予定していた今秋の活動再開を延期し…
  3. 2023年11月4日(土)に第51回横浜矯正展が開催された横浜刑務所の入り口

    2023-12-29

    『横浜刑務所で作ったパスタ』で大行列!刑務所見学もできる横浜矯正展とは?

    横浜矯正展は、横浜刑務所、横浜少年鑑別所、公益財団法人矯正協会刑務作業協力事業部主催で2023年11…

2025年度矯正展まとめ

2024年に開催された全国矯正展の様子

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る