
宇宙空間の安全確保に向け、国連宇宙部のアーティ・ホラマイニ部長が、急増する「宇宙ごみ(スペースデブリ)」の除去を巡る国際ルール作りで日本の主導的役割に期待を示しています。ホラマイニ氏は、今月24日からの日本訪問を前にオンラインでインタビューに応じ、ロケットの残骸や運用を終えた人工衛星などの宇宙ごみが増え続けている現状に強い懸念を示しました。「人工衛星との衝突リスクが高まり、大きな被害が生じる恐れがある。解決策が必要です」と述べ、宇宙ごみ問題が通信・測位・気象観測など、衛星サービスに依存する現代社会全体のリスクであると指摘しています。
国連宇宙部が事務局を務める国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)は、日本を含む100か国超が加盟し、2007年には打ち上げ時に新たな宇宙ごみを発生させないよう求める指針をまとめていますが、既に存在するデブリをどう除去するかを定めた具体的な国際ルールはありません。誰の責任でどの軌道上のごみを優先的に除去するのか、費用負担をどう分担するのかといった論点も未整理で、ホラマイニ氏は「宇宙ごみ除去は一国や一つの事業者だけでなく、すべての国の利益になる」と述べ、新たな国際ガイドラインの策定が急務だと強調しました。
日本については、民間企業によるデブリ除去技術の開発や、除去ビジネスを想定した国内ルールの整備が進んでいる点を高く評価しています。日本のスタートアップなどは、不要になったロケット上段や古い衛星に接近し、捕獲して大気圏に再突入させる実証ミッションを計画しており、世界的にも先行事例とみなされています。ホラマイニ氏は「日本は宇宙分野で先進的だ。国際議論でリーダーシップを発揮してほしい」と語り、技術面だけでなく、多国間の利害調整を進める仲介役としての役割にも期待感を示しました。
同氏は27日まで日本に滞在し、内閣府主催のシンポジウムで講演するほか、日本政府関係者との面会も予定しています。国連の場で今後どのような形でルール作りを進めるのか、日本との協議を通じて道筋を探る狙いがあるとみられます。
日本の取り組みと残された課題
日本政府は近年、宇宙ごみ問題を宇宙基本計画の重要課題と位置づけ、技術開発と制度整備の両面で対応を強化しています。内閣府は、デブリ除去を実施する際の責任や費用負担、安全保障上の懸念などを整理するため有識者検討会を設置し、年度内に課題を特定する方針です。検討結果は、2026年前後に開かれる国連宇宙空間平和利用委員会で共有され、日本が国際ルール形成に向けて具体的提案を行う際の基礎資料となることが想定されています。
技術面では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がデブリの発生抑制や軌道上監視に取り組んできたほか、民間企業も捕獲・除去技術の実証を進めています。一部企業は、宇宙ごみ除去を国際社会にとっての「公共財」としながら、事業として成立させるためのビジネスモデル構築を目指しており、2020年代後半の商業サービス化も視野に入れています。一方で、「どの国のデブリを誰が除去するのか」「費用をどう分担するのか」といった法的・制度的な論点に加え、除去技術が他国衛星の無力化能力とみなされかねないとの安全保障上の懸念も残されています。
軍民両用の側面を持つ技術であるだけに、透明性の高いルール設計と信頼醸成措置が不可欠です。宇宙ビジネスの拡大により地球周回軌道の「交通渋滞」が指摘されるなか、日本発の技術とルールが今後の宇宙活動の持続可能性を左右するか、国連宇宙部長の訪日を機に、その行方が一層注目されています。









に第51回横浜矯正展が開催された横浜刑務所の入り口-280x210.jpg)


-300x169.jpg)