
2014年に消息を絶ってから「航空史上最大の謎」とされてきたマレーシア航空MH370便の残骸捜索が、今月30日に再開されることになりました。マレーシア運輸省は3日、水中探査会社「オーシャン・インフィニティ(Ocean Infinity)」社による深海捜索を正式に認可したと明らかにしました。捜索は南インド洋の限定された海域を対象に、断続的に約55日間行われる予定です。
MH370便は2014年3月8日、乗客227人と乗員12人の計239人を乗せ、クアラルンプール国際空港を出発し北京に向かう途中で消息を絶ちました。離陸から1時間足らずで交信が途絶え、機体は予定航路を外れてマレーシア半島方面へ引き返した後、南インド洋方向へ飛行を続けたとみられています。
マレーシアやオーストラリア、中国などが参加した合同捜索では、決定的な手がかりを見つけられず、2017年に活動を終了しました。その後、米テキサス州に本拠を置くオーシャン・インフィニティ社が2018年に「見つからなければ報酬なし」の条件で捜索を実施しましたが、成果を得られませんでした。
今回再び同社が捜索を担うことになり、マレーシア政府は、残骸などが発見された場合に最大7000万ドル(約109億円)を成功報酬として支払う契約を結んだとされています。同社は2018年以降も解析を継続し、新たなデータや技術の進展を踏まえて最も可能性が高いとする海域を絞り込んだと説明しています。
これまで、インド洋の島々やアフリカ東岸には翼の一部など機体の破片とみられる漂着物が見つかっており、一部はMH370便のものと公式に認定されました。2018年に公表されたマレーシア政府の最終報告書は「意図的な操縦によって通常の航路を外れた可能性が高い」としたものの、原因は特定できていません。
MH370便をめぐっては、複数の通信装置が意図的に停止された可能性が指摘されるなど、通常の航空事故とは異なる不自然な点が多いとされています。
マレーシア運輸省は声明で、「この悲劇で深い影響を受けた家族に区切りを与えるという政府の揺るぎない取り組みを強調するものだ」と述べました。中国外交部の報道官も、「マレーシア側の努力を評価する」とコメントし、最大の被害国の一つとして引き続き注視していく姿勢を示しています。
深まる謎と向き合う再捜索 国際社会も注視
オーシャン・インフィニティ社は、無人潜水機や自律型海中ロボットを用いた広域の高精度マッピング技術を強みとしており、2018年の捜索以降、機器性能やデータ処理能力が向上していることを強調しています。
機体がどのような状態で海面に到達したのかが判明すれば、事故のシナリオの絞り込みが進むと期待されています。マレーシア政府は、捜索結果について透明性を確保し、関係国と情報共有を図る方針です。
一方で、南インド洋の深海は水深が6000メートルに達する場所もあるなど、技術的にも環境的にも極めて厳しい条件の捜索となる見通しです。今回の55日間の深海捜索が、真相解明に近づく契機となるかが注目されています。










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