首都圏連続「闇バイト強盗」事件、指示役4人を逮捕 匿名犯罪グループ「トクリュウ」実態解明へ

首都圏連続「闇バイト強盗」事件、指示役4人を逮捕 匿名犯罪グループ「トクリュウ」実態解明へ

関東1都3県で2024年に相次いだ連続「闇バイト」強盗事件で、警視庁などの合同捜査本部は、千葉県市川市の強盗傷害・拉致監禁事件に指示役として関与した疑いがある男4人を逮捕しました。事件は東京、神奈川、千葉、埼玉で計18件発生し、横浜市の事件では住人の男性が暴行を受け死亡しており、首都圏を震撼させた一連の凶悪事件の中核人物がようやく摘発された形です。

逮捕されたのは、いずれも職業不詳の福地紘人容疑者(26)、村上迦楼羅容疑者(27)、斉藤拓哉容疑者(26)、そして仙台市青葉区、職業不詳の渡辺翔太容疑者(26)の4人です。いずれも「匿名・流動型犯罪グループ『トクリュウ』」のメンバーとみられています。合同捜査本部は約1年3カ月にわたり、押収した約750台の携帯電話を解析するなどして指示役の特定を進めてきており、警視庁の刑事部長は「被害者の怒りと国民の不安に応えるべく首謀者検挙に至った」と強調しました。

千葉県市川市の事件は2024年10月17日未明、50代の女性が住む住宅に男3人が窓ガラスを割って侵入し、バールのような工具などを使って暴行を加え、現金約4万8000円や財布などを奪ったうえ、女性を自家用車で連れ去ったものです。女性は粘着テープで両手足を縛られ、顔面を繰り返し殴られるなどして肋骨や眼窩を骨折する重傷を負い、その後も「指を折れ」「腹を蹴れ」との指示に従った暴行が続いたとされています。

女性は目隠しされたまま埼玉県川越市内の宿泊施設に監禁され、事件から約20時間後に警察に保護されましたが、全治2カ月の大けがを負い、裁判で「体の傷は治っても心の傷は一生消えない」と訴えています。帰宅した70代の母親が、割れた窓ガラスや壊された金庫を見つけて110番通報したことで事件が発覚し、家族は今も不眠や不安に悩まされていると証言しています。

一連の事件では、実行役や現金回収役など計51人がすでに逮捕されており、今回の4人が指示役としてどの範囲の犯行に関与していたかが焦点となっています。

匿名型「トクリュウ」の手口と今後の捜査の行方

福地容疑者らは、X(旧ツイッター)などのSNSで募集された「闇バイト」に応募した実行役らに対し、秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」を介し、「パトリック」「ファルコン」「GG」など9つの異なるアカウントを切り替えながら指示を出していたとされています。

事件に関与した実行役の一人は、捜査当局に「犯行中、指示してくるアカウント名が次々に変わった」と供述しており、携帯電話の解析でも同様のアカウント変遷の記録が確認され、指示役と実行役を結びつける決め手となりました。匿名・流動型の構造により、メンバー同士の関係は希薄で、互いに庇い合う動きが少ないことも、組織全体の解明につながった要因とみられています。

4人のうち福地、村上、斉藤の3容疑者は、2024年9月に千葉県船橋市の神社近くで男性を殴り歯を折るなどのけがを負わせた傷害事件の捜査対象となり、同年11月、大量の現金を所持して成田空港から出国しようとしたところを逮捕・起訴されていました。この際に押収された携帯電話の解析で、市川市の事件で奪われた現金の回収役とみられる男とのやり取りが見つかり、一連の強盗事件における指示役の特定が大きく前進しました。

福地容疑者は別の特殊詐欺事件でも逮捕されており、警察は、闇バイト強盗と詐欺が同じ犯罪インフラ上で展開されていた可能性も含め、資金の流れや「トクリュウ」全体の実態解明を進めています。合同捜査本部は、引き続き押収端末の解析や関係者の聴取を進めるとともに、被害住宅が事前のアポ電や営業電話もない中でどのように標的とされたのか、ターゲット選定の具体的な手口の解明も急ぐ方針です。

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