
反政府デモの拡大を受けて、イラン政府が2026年1月8日から史上初となる衛星インターネット遮断を実施していることが確認されました。従来の地上回線や携帯電話網の遮断に加え、衛星通信サービス「スターリンク」に対しても軍事用ジャマー(電波妨害装置)を用いた通信妨害が行われており、抗議活動参加者や反体制派のための代替通信手段が事実上機能しなくなっています。
監視団体NetBlocksによると、1月11日時点で遮断は60時間以上継続。固定回線とモバイルのインターネット接続は通常の約1%まで低下し、Cloudflare Radarのデータでは、イランのトラフィック量がほぼゼロの状態です。
イラン国内には正式に認可されていないスターリンク端末が数万台密輸され、利用されていると報じられています。
スターリンク端末は衛星の位置を特定して接続するためにGPS(全地球測位システム)を使用しており、イランは2025年6月のイスラエルとの12日間戦争以来、GPS信号妨害の技術を活用。この技術により、スターリンクのパケットロスは当初30%から、数時間以内に80%以上にまで上昇したと伝えられています。
この通信遮断により、インターネット停止1時間ごとに約156万ドル(約2億4600万円)がイラン経済から流出しており、経済的損失も深刻化しています。
現状を受けて、イーロン・マスク氏率いる米スペースXは、1月13日からイラン国内でスターリンクへの接続を無料化しました。端末を保有する人は誰でも無料でアクセスできるようになったものの、イラン政府による軍事レベルの妨害装置の使用により、実際の通信環境は大幅に悪化している状況です。
端末捜索を強化 犠牲者数は不透明
専門家は、GPS信号を妨害することで比較的効率よくスターリンクの機能を阻止できると指摘しており、イラン政府は端末の捜索も強化しています。2025年半ば以降、イランではスターリンク機器の所持が違法となり、最悪の場合は死罪に処されるスパイ行為として扱われる可能性が生じています。
革命防衛隊などの治安部隊がテヘラン、イスファハーン、タブリーズなどの都市で家宅捜索を行い、機器を発見・没収している状況です。
反政府デモに関連した犠牲者の数については、報道機関によって大きく異なります。通信遮断により現状把握が困難になっており、実際には多数の犠牲者が出ている可能性も指摘されています。












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