
トランプ米政権による電気自動車(EV)普及策の見直しを受け、米自動車大手が構造転換を迫られています。ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターはEV関連の減損などに計4兆円を計上する見通しです。2026年1月14日にはミシガン州デトロイトで北米国際自動車ショーが開幕し、各社の展示内容はバイデン前政権時と様変わりしました。
ガソリン駆動の大型ピックアップトラックや手ごろな価格の多目的スポーツ車(SUV)、ハイブリッド車(HV)が増え、各社がかつて目玉にしていたEVは片隅に追いやられました。トランプ氏は2025年にEV購入時の最大7500ドルの税額控除を廃止したほか、排ガス規制も撤回しました。EVは税額控除があれば本来の価格より2割程度安く購入できましたが、恩恵がなくなりました。米調査会社コックス・オートモーティブが2026年1月に発表した2025年10~12月の米EV販売は前年同期比で36%減少しました。
フォードは四輪駆動のSUV「ブロンコ」や3万ドル以下で購入できるピックアップトラック「マーベリック」など、耐久性に優れた車種を中心に出展しました。GMもEVを展示したものの、来場者の注目を集めたのは「シボレー・シルバラード」などピックアップトラックの最新モデルでした。販売店が主催したトヨタ自動車の展示会場では、2万ドル台で購入できる「プリウス」や「カムリ」などのHVが目立ち、燃費性能と手ごろな価格をアピールしていました。
米自動車大手は従来、EV投資を加速してきました。バイデン前政権下で米国に集まったEVや脱炭素関連の投資は約18兆円に上るとの試算もあります。進行中のEV投資の全面的な中止は各州の経済や雇用への影響が大きく、当面はEVとガソリン車への二重投資を続けざるを得ない状況です。
自動車業界の対応と今後の課題
GMは2025年10~12月期にEV関連で60億ドル(約9400億円)の追加費用を計上すると発表しました。これに先立つ7~9月期にも16億ドルの減損損失を計上しており、2026年も費用計上が続く見通しです。フォードも2025年12月にEV事業の抜本的見直しに伴い195億ドル(約3兆円)の特別損失を計上すると発表しました。
トランプ政権の政策転換は、短期的には米自動車メーカーのコスト削減につながりますが、長期的な競争力への影響が懸念されています。中国や欧州がEV化を加速する中、米国の出遅れが将来的な市場シェア喪失につながる可能性があります。消費者への影響も大きく、環境意識の高い消費者とコスト重視の消費者の間で、自動車選びの基準が二極化する可能性があります。












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