
2025年の世界株式市場では、新興国株式が5年ぶりに先進国株式のパフォーマンスを上回る展開となりました。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げやドル安傾向、米国株の割高感が意識されるなか、割安かつ成長期待の高い新興国株に世界のマネーが流入し、長く続いた低迷に復調の兆しが見え始めています。
2025年通年では、MSCI先進国株価指数が+19.5%の上昇にとどまったのに対し、新興国株価指数は+30.6%と大きく上回りました。
背景には、米国株への資金一極集中と高バリュエーションへの警戒感があります。その受け皿となったのが、長年アンダーパフォームしてきた新興国株式です。「割安なバリュエーション」と「高い成長期待」という二つの要因が、新興国株の再評価を後押ししました。
さらに相場の追い風となったのが、FRBの利下げとドル安です。2025年にかけて米国の政策金利は段階的に低下し、内外金利差縮小を背景にドルは対主要通貨で弱含みとなりました。一般にドル安時には、新興国からの外貨建て債務の負担が軽減されるほか、商品市況の上昇により資源国の輸出や企業収益が押し上げられやすくなります。
国別では、広範な地域で株価上昇が目立ちました。半導体やAI関連が追い風となった韓国、資源高と通貨高が株価を押し上げた中南米、金融セクター主導で上昇した欧州周縁国、そして南アフリカなどアフリカ市場まで及んでいます。こうした分散的な上昇は、一部の国やテーマに偏った相場ではなく、新興国全体への再評価の広がりを示しているといえます。
新興国株と投資家が見るべきポイント
今後の注目点として、2025年に始まった利下げがどこまで続くかが挙げられます。利下げ継続とドル安が進めば、新興国への資金流入が続きやすくなります。反対に、インフレ再燃などから利下げペースが鈍化・停止した場合には、新興国市場のボラティリティが高まる可能性も否定できません。
次に、各国の成長率と企業収益の実現性です。新興国全体の実質成長率は4%台と見込まれますが、その成長を企業収益に結びつけられるかどうかは、ガバナンス改革や産業政策の進展に左右されます。
個人投資家にとっては、短期的な値動きに翻弄されない投資スタンスが求められます。新興国株は先進国株に比べて価格変動が大きく、急落局面も避けられませんが、地域や通貨、セクターを分散し、長期の成長ポテンシャルに着目することで、ポートフォリオ全体のリターン向上に貢献する資産クラスです。
新興国株と先進国株、さらには債券などを組み合わせ、ドル動向や各国政策の変化を確認しながら比率を機動的に見直していく柔軟性が重要になります。
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