
ソフトバンクグループ(SBG)傘下のスマートフォン決済大手PayPayが、2026年3月に米NASDAQ(ナスダック)市場に上場する方針です。想定時価総額は3兆円を超える観測で、SBG側が売り出す株式は全体の約1割にとどめるとされています。PayPayは2月12日(米国時間)に米国証券取引委員会(SEC)へ登録届出書(Form F-1)を公開提出しており、上場予定市場はNasdaq Global Select Marketです。企業コードは「PAYP」となる見込みで、幹事団にはゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェース、みずほフィナンシャル・グループ、モルガン・スタンレーが名を連ねます。PayPayの上場は当初2025年12月を想定していましたが、米政府機関の一時閉鎖に伴う審査遅延の影響で、2026年3月に後ずれしたと報じられています。
PayPayは2018年にソフトバンクとヤフー(現LINEヤフー)が共同で設立したスマホ決済事業者です。現在の出資構成はソフトバンクとLINEヤフーが計66%、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が34%を保有しています。2018年10月にバーコード・QRコードを使った決済サービスを開始して以降、大規模なポイント還元キャンペーンなどを通じて利用者を急拡大させ、国内コード決済市場の約3分の2のシェアを握っています。登録ユーザー数は2025年7月時点で7,000万人を突破し、日本の人口の半数以上、日本のスマホユーザーの約3人に2人が利用している計算になります。2024年度の決済取扱高は単体で12.5兆円、決済回数は78億回超に達し、キャッシュレス決済全体の約5回に1回がPayPayによる決済とされています。LINEヤフーの決算では、PayPayを含む戦略事業の連結取扱高が12.5兆円となり、調整後EBITDAが115億円と、通期で初の黒字を達成したことも示されています。PayPayはさらに、PayPay銀行やPayPay証券の株式を取得して子会社化を進め、決済・銀行・証券・カードなどを束ねた金融エコシステムの構築を加速しています。
Visa提携で米国進出へ グローバル展開を本格化
PayPayは2月12日、米クレジットカード大手Visaと決済事業を中心とした戦略的パートナーシップ契約を締結したと発表しました。提携の柱は米国市場への進出で、PayPayが主導して新会社を設立し、NFC(タッチ決済)とQRコード決済の両方に対応したデジタルウォレットの提供を目指します。事業の初期段階ではカリフォルニア州など一部地域を対象に、加盟店ネットワークの構築や拡大を進める計画です。Visaは投資やテクノロジー、人材、コンサルティングなどを通じて新会社を支援し、米決済市場での立ち上げを後押しします。日本国内では、PayPay残高やPayPayカード、PayPay銀行の機能を一つのVisaクレデンシャルに集約し、アプリ上で支払い手段を切り替えられるサービスの提供も予定されています。
一方、少子高齢化が進む日本市場だけでは成長に限界があるとの認識から、PayPayはすでに海外展開にも動き出しています。2025年9月には韓国で「海外支払いモード」を本格始動し、Alipay+加盟店など約200万店舗でPayPayによる決済を可能にしました。利用者は日本国内と同じアプリで、韓国でも個人間送金や残高チャージを含む主要機能を利用できるのが特徴です。こうした実績を踏まえ、PayPayは米国上場を機に海外での知名度を高め、米国やアジアを中心とした国際展開を一段と加速させる方針です。今後は現地での事業網構築に加え、フィンテック企業などを対象としたM&A(合併・買収)も視野に入れながら、グローバル規模の決済・金融プラットフォームを目指すとみられます。









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