国産AIロボットがクマ被害に立ち向かう – 新プロジェクト「KUMAKARA MAMORU」始動で人と野生動物の共存を実現

国産AIロボットがクマ被害に立ち向かう - 新プロジェクト「KUMAKARA MAMORU」始動で人と野生動物の共存を実現

近年、全国でクマによる人身被害が急速に増加する中、東京都豊島区のロボット開発スタートアップ・株式会社Highlandersは、国産AI四足歩行ロボット「HLQ Pro」を活用した革新的なクマ対策プロジェクト「KUMAKARA MAMORU」を2025年12月24日から始めたと発表しました。このプロジェクトは、従来の人手による対策に代わり、最先端のロボット技術を活用して、クマによる人身被害を未然に防ぐ画期的な取り組みとして注目を集めています。

クマ被害は深刻な状況に直面しており、環境省の発表によると、今年4月から11月にかけてのクマによる人身被害者数は230人に達し、2023年度の年間被害者数219人をすでに上回りました。死者数も13人に上り、統計を取り始めた2006年度以降で過去最多となっています。都道府県別では秋田県が66人で最も多く、次いで岩手県の37人、福島県の24人が続いており、被害は全国に広がっています。このような状況下で、クマの駆除ではなく、人と野生動物の適切な距離感を回復させることを目指すHighlandersのプロジェクトは、新たな対策の方向性を示すものとして期待されています。

KUMAKARA MAMORUで運用される「HLQ Pro」は、総重量60kgの堅牢な機体に最大30kgのペイロードを搭載可能な四足歩行ロボットです。AI技術により急斜面や密林といった従来の車両やドローンでは進入困難な地形を自律歩行できるため、里山と人の生活圏の境界をパトロールするのに適しています。赤外線で熱を検知するサーマルカメラを搭載しており、夜間や視界の悪い条件でもクマを検知し、管理者へリアルタイムで映像・位置情報を共有することで、クマとの遭遇を防ぐ仕組みを実現します。さらに、大型スピーカーや強力フラッシュライトといった重量装備を搭載し、視覚・聴覚の両面からクマに強い忌避行動を促し、人里から山林へと誘導します。

ロボット技術による新たな野生動物対策への期待

Highlandersは2023年5月に設立された東京大学発のスタートアップで、代表取締役は増岡宏哉氏です。同社は四足歩行ロボットのほかに、人型ロボット「HL Human」も開発しており、ロボット技術を危険環境下での業務や社会課題解決へ応用する方針を掲げています。今後、同社は里山での実証実験を本格化させ、自治体や地域団体と連携しながら、ロボットを活用したクマ対策の全国展開を目指す予定です。猟友会の高齢化やアーバン・ベア(都市型クマ)の増加という課題の中で、Highlandersのプロジェクトは人命を守りながら野生動物との共存を実現する新たな選択肢として、今後の展開に期待が集まっています。

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