二階堂蓮「これがオリンピック」 雪に阻まれた大ジャンプと4年後への決意

スキージャンパー

スキージャンプの新種目「男子スーパーチーム」が行われたミラノ・コルティナオリンピックで、日本代表の二階堂蓮選手(24、日本ビール)と小林陵侑選手(29、TEAM ROY)のペアが6位となりました。 ラージヒルで実施されるこの種目は、1チーム2人が最大3回ずつ飛び、全6本の合計得点を競う形式で、今大会から従来の4人制団体戦に代わって採用された新しい団体戦です。 日本は1回目を5位、2回目を終えて6位で最終ラウンドに進出しましたが、3回目の途中で天候悪化により競技がキャンセルされ、2回目終了時点の順位が最終結果として適用される異例の展開となりました。

3回目の先陣を託された二階堂選手は、プレダッツォ・ジャンプ競技場で138.5メートルの大ジャンプを決め、一時は暫定2位に浮上しました。 しかし、その後に続く選手の番で雪が急激に強まり、4番目に飛んだドイツの後に競技はいったん中断されます。 再開後、5番目のポーランドのジャンプの後に再度中断となり、最終的に大会側は安全性と公平性を理由に3回目のラウンド自体をキャンセルすると決定しました。 この結果、日本がメダル圏内に食い込む可能性を見せた二階堂選手のビッグジャンプは「幻」となり、2回目終了時点の6位という順位が確定しました。

レース後のインタビューで二階堂選手は、「いやぁ、これがオリンピックですね。そう思うしかないですよね」と複雑な胸中を吐露しつつ、「1本目、2本目でなかなかいいジャンプができなかったので、3本目にやっと合わせることができたんですけども。こういう形になってしまったので、もう悔しさを通り越して、むしろ前向きになってます」と笑顔も交えて話しました。 雪という自然条件に左右されるウインタースポーツの過酷さを体現するような結末であり、本人も「これがオリンピック」と繰り返しながら、その不運を受け止める姿勢を示した形です。

今大会が初のオリンピックとなった二階堂選手は、すでにノーマルヒルで銅メダル、ラージヒルで銀メダル、混合団体で銅メダルを獲得しており、3種目連続で表彰台に上る快挙を達成しています。 江別市出身で日本ビールスキー部に所属する二階堂選手は、全日本選手権ラージヒル兼NHK杯でも逆転優勝を飾るなど、近年国内外で着実に実績を積み重ねてきたジャンパーです。 一方の小林選手は、岩手県八幡平市出身でTEAM ROY所属のエースジャンパーであり、これまでもワールドカップ個人総合優勝や五輪金メダルなど、日本のスキージャンプ界をけん引してきた存在です。 2人のタッグによる「スーパー団体」初代王者への挑戦は、結果こそ6位に終わったものの、日本チームの総合力と層の厚さを示す戦いとなりました。

今回のスーパーチームは、従来の4人1組・2ラウンド制の団体戦から、2人1組・最大3ラウンド制へと変更された新フォーマットで、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)が近年ワールドカップでも導入を進めてきた種目です。 1回目終了時点で上位12チームが2回目へ、2回目後の合計得点で上位8チームが3回目に進むサバイバル形式となっており、少人数編成でも団体戦に出場しやすくする狙いがあります。 ミラノ・コルティナ大会で五輪正式種目となったことで、今後は各国が新たな戦略やペア編成を模索しながら、4年後の次回大会に向けて競争が一段と激しくなることが予想されます。

初出場で3個のメダル「上出来」 4年後の雪辱とW杯へ視線

今大会を総括した二階堂選手は、「上出来ですよ。ここまでメダル取れましたし、今日は予想外の展開になってしまいましたけど、でも初めてのオリンピックで、3種目連続でメダルを取れたことは、良かったなって思います」と語り、手応えと満足感をにじませました。 まだ24歳と若い二階堂選手にとって、ノーマルヒルとラージヒル、混合団体での表彰台経験は、今後のキャリアに向けた大きな財産となります。 一方で、スーパーチームでの「幻のビッグジャンプ」とメダルを逃した悔しさは、次の4年間の原動力になりそうです。

二階堂選手は今後について、「今回、僕としてはいい形でオリンピックを迎えられて成績も良かったので、あとは今後のワールドカップにまた向けて再調整して、いい結果でシーズンを終えて、もちろんまた4年後に気持ちを切り替えて、再スタートできれば」とコメントし、早くも次のシーズンと次回五輪を見据えています。 FISワールドカップでは、すでにスーパーチームが実施されており、強豪国との駆け引きや新たな風洞・板の開発競争も進んでいることから、実戦の場で経験を重ねることが重要になります。 日本ビールスキー部として国内大会で磨いてきた飛型と安定感に加え、世界トップレベルの舞台で得た経験値をどう生かすかが、4年後の雪辱への鍵となるでしょう。

今大会のスーパー団体では、雪による中断やラウンドキャンセルという「運」に左右された側面が大きく、選手たちはあらためて自然と向き合う競技の難しさを痛感しました。 それでも、二階堂選手が「悔しさを通り越して、むしろ前向き」と語ったように、この経験を糧として次の目標へと歩みを進める姿勢は、多くのファンの共感を呼んでいます。 小林選手も含め、日本のスキージャンプ陣がこのミラノ・コルティナでの成果と課題をどう生かすのか、今後のワールドカップと次回五輪に向けた進化が注目されます。

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