自動運転トラックで国内初 T2が関東~関西500kmを「完全自動走行」

自動運転トラックで国内初 T2が関東~関西500kmを「完全自動走行」

自動運転システムを開発するT2は2026年3月、自社開発のレベル2自動運転トラックを用い、関東~関西間およそ500kmの高速道路本線を、ドライバーによる一時的なハンドル操作を一度も行うことなく完走したと発表しました。

東名高速道路・綾瀬スマートIC(神奈川県綾瀬市)から山陽自動車道・神戸西IC(兵庫県神戸市)までの区間で実施された実証走行で、合流車両への対応やカーブ・勾配など、実運行さながらの環境下でも自動運転を維持し続けたとしています。

T2によると、高速道路本線約500kmを自動運転トラックがドライバーのハンドル操作なしで連続走行したケースは国内で初めてとなり、レベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービス実現に向けた大きなマイルストーンだと位置づけています。

今回の成果を支えたのは、同社が新たに開発した合流・割り込み車両への高精度対応機能や、カーブ手前での減速制御などの「予測運転」アルゴリズムです。

これらの機能により、これまでドライバーが介入しがちだった道路工事区間や前方への車線変更・合流といったイレギュラーな状況でも、自動運転システムのみで安全性と安定性を確保できるようになったと説明しています。

荷主企業との実証では、物流事業者7社が協力し、レベル2自動運転トラックを活用した関東~関西間の往復運行も進んでおり、2026年2月にはレベル4を前提とした「1日1往復」の連続運行オペレーションを検証する実証も行われました。

T2は、トラックドライバー不足や「2024年問題」で制約が強まる長距離輸送に対し、自動運転によって輸送能力とドライバーの労働環境を両立する新たな幹線輸送モデルを提示できるとしています。

レベル4実現への課題と展望

T2は2027年度に、ドライバーが乗車しないレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスの開始を目指しています。

レベル4が実現すれば、現在はドライバーの拘束時間規制の制約から「1日片道」が限界とされる関東~関西間輸送でも、車両を自動で往復運行させることで輸送能力を少なくとも2倍に高められると想定しています。

一方で、レベル4実現には依然として技術面と制度面の課題が残ります。T2は2025年6月、神奈川県綾瀬市から神戸市まで約500kmをレベル2自動運転トラックで走破する国内最長距離の実証に成功していましたが、道路工事や前方車両の合流などの際には、安全確保のため一時的に自動運転を停止し、ドライバーがハンドル操作に切り替える場面が発生していました。

今回の「ドライバー介入ゼロ」での本線完走は、こうしたシーンでの自動対応能力が一定水準に達したことを示すものの、悪天候や事故渋滞、インフラ側の整備など、レベル4で前提となる「想定外」をどこまでシステムと運行管理で吸収できるかが次の焦点となります。

また、T2は荷主企業や物流事業者との共同実証を通じて、拠点整備やダイヤ設計、異常時の遠隔監視・対応フローといった運用面の検証も進めています。

同社は、2026年以降もレベル2車両による商用運行を継続しながら、レベル4に必要な技術・オペレーション・制度面での知見を積み上げ、国内の幹線輸送における自動運転トラックの本格的な実用化につなげたい考えです。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 世界初の核のごみ最終地層処分場が正式稼働するフィンランドの国旗
    フィンランドの放射線・原子力安全庁などの規制当局は8月4日、原子力発電所から排出される使用済み核燃料…
  2. TOYOTAの自動車のロゴ
    トヨタ自動車は8月27日、一般道路を含めて運転手がほぼ操作を行わずに済む高度な運転支援技術を、202…
  3. オマーン湾
    8月19日、アメリカ軍がホルムズ海南側の航路確保が判明。過去2週間、毎晩15隻から20隻のタンカーが…

おすすめ記事

  1. 「更生カレー」を手にする中澤照子さん

    2025-9-25

    伝説の保護司・中澤照子が「更生カレー」に込めた未来への願い

    伝説の保護司・中澤照子が、人々の立ち直りを願い続けた人生と、その思いを込めた「更生カレー」の誕生秘話…
  2. 島根あさひ社会復帰促進センター

    2026-2-19

    官民協働の刑務所が変えた町の景色。島根あさひ社会復帰促進センターが歩んだ共生の20年

    島根県浜田市にある「島根あさひ社会復帰促進センター」。2006年に官民協働の事業契約が締結し、200…
  3. 熊本刑務所内にあるリフレクティングルーム

    2026-8-11

    熊本刑務所「リフレクティング」の導入で変わる刑務官と受刑者の関係性

    熊本刑務所が熊本大学大学院と共同研究を行う「リフレクティング」。閉ざされた塀の中で対話が、人と組織を…

2026年度矯正展まとめ

2026年度 矯正展まとめ

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る