
8日の東京株式市場で、日経平均株価は一時、前日終値に比べて2600円を超える大幅な上昇を見せました。取引時間中として、心理的節目である5万6000円台を回復したのは、3月5日以来約1カ月ぶりのことです。この急騰の背景には、中東情勢の劇的な緩和期待があります。
米国のトランプ大統領は日本時間の8日朝、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イランへの爆撃と攻撃を2週間停止することに同意したと発表しました。トランプ氏は攻撃停止の条件として、イランがホルムズ海峡の「完全かつ即時、そして安全な開放」に同意することを挙げています。これに対し、イランのアラグチ外相も声明を出し、自国への攻撃が停止されればイラン側も攻撃を停止する意向を示しました。また、パキスタンの仲介によって両国が2週間の停戦で合意したとの報道も伝わり、市場には一気に安心感が広がりました。
この動きを受けて、国際的な原油価格の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の先物価格は急落しました。一時1バレル=117ドル台まで上昇していた価格は、90ドル台前半まで値下がりし、100ドルの大台を割り込みました。エネルギー価格の下落は、インフレ圧力の緩和や企業業績へのプラス材料と捉えられ、株式市場での買い注文を加速させました。
東証プライム市場では9割超の銘柄が上昇する全面高の展開となりました。これまでリスクオフ局面で買われていた鉱業や海運などのセクターが売られる一方で、幅広い業種で買い戻しが進んでいます。外為市場でも、中東リスクの後退からドルを売る動きが強まり、円相場は1ドル=158円台前半まで円高方向に進んでいます。
原油急落と円高加速 市場関係者からは驚きの声
今回の急激な市場の変化に対し、投資家やアナリストからは驚きの声が上がっています。日経平均の上げ幅が一時2800円に迫る勢いを見せたことについて、市場関係者は「トランプ大統領のディール(取引)による地政学リスクの急減退は、想定以上のインパクトだった」と指摘しています。特に原油価格が117ドルから90ドル台まで短時間で下落したことは、輸送コストの低下を期待する製造業や小売業にとって大きな追い風となっています。
一方で、今回の合意はあくまで「2週間の停止」という期限付きであることから、慎重な見方をする専門家も少なくありません。ネット上では、「ガソリン代がこれで安くなってほしい」「2週間だけで終わらず、恒久的な和平につながることを期待する」といった生活への影響を期待する声や、「トランプ氏らしい電撃的な手法だが、その後の展開が読めない」といった先行きへの不透明感を懸念する意見も寄せられています。
今後の焦点は、条件となっているホルムズ海峡の開放が円滑に進むか、そして2週間の期限が迫る中で米国とイランがさらなる対話に向けた進展を見せられるかに移っています。



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