
2月27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比521ドル安の4万8977ドルで取引を終えました。下げ幅は取引時間中に一時820ドル超まで拡大。イラン情勢の緊迫化を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まりました。
米国とイランは26日、核問題に関する第3回間接協議をスイス・ジュネーブで実施。米側はスティーブ・ウィトコフ特使とジャレッド・クシュナー大統領顧問が交渉を担い、オマーン外相が仲介しました。
同外相は「重大な進展があった」と評価し、翌週にウィーンでの技術級協議継続を発表しました。ただし最終合意には至らず、トランプ大統領は翌27日、「われわれが求めるものを出す意欲がない。まったく満足していない」と記者団に述べています。
加えて27日朝、米国務省は安全上のリスクを理由に在イスラエル米大使館の非緊急職員と家族に出国を許可しました。米軍はすでに空母「ジェラルド・フォード」打撃群を地中海からイスラエル沖へ展開させており、軍事的緊張がひときわ高まりました。イランへの攻撃が差し迫るとの観測が広がり、市場心理が一段と冷え込んだ格好です。
業種別ではS&P500の情報技術や金融など景気敏感セクターの下げが目立ちました。AI関連投資への懸念も重荷となる一方、ヘルスケアや生活必需品などディフェンシブ銘柄には資金が流入し、リスク回避のポートフォリオシフトがうかがえます。また同日発表の1月米卸売物価指数(PPI)も市場予想を上回り、インフレ再燃への警戒がさらに高まる展開となりました。
リスク回避の資金が債券へ、原油は供給不安で急反発
ニューヨークの債券市場では安全資産とされる米国債への買いが集中し、指標の10年物国債利回りが一時3.95%前後まで低下。4%の節目を数カ月ぶりに割り込みました。株価下落と歩調を合わせた債券買いが加速した形です。
原油市場ではWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近4月物が急反発。一時1バレル67.83ドルと前日比約4%高まで上昇し、約7カ月ぶりの高値をつけました。米国がイランへの軍事行動に踏み切った場合、中東の原油生産や輸送に支障が出るとの懸念が先物買いを後押ししました。
ホルムズ海峡封鎖など最悪シナリオを意識した見方も市場に根強く残っており、原油高はエネルギー価格を通じて世界的なインフレ圧力を高めかねないとの警戒も出ています。



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