
米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖された事態をめぐり、中国が自国のエネルギー安全保障を守るためイランへの影響力を強めています。中国政府はイラン当局に対し、海峡を通過するカタール産の液化天然ガス(LNG)や原油を運ぶタンカーの航行を妨げないよう、水面下で強く求めているとされています。 アメリカでの報道では、ガス業界の幹部が、中国側がエネルギー供給を中断させないようイラン高官に圧力をかけていると証言したとされています。
中国は世界最大級のエネルギー輸入国であり、原油輸入の4〜5割をホルムズ海峡経由の中東産原油に依存しているとされています。 LNGについても、中国の2025年の輸入量は6843万トンで、日本エネルギー経済研究所によれば世界有数の輸入規模となっており、その一部をカタールやアラブ首長国連邦(UAE)から調達しています。 ホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば、中国経済に深刻な打撃となることから、中国はイランとの友好関係を維持しつつも、エネルギー輸送を人質にしたイラン側の行動には不満を強めていると伝えられています。
中国外務省の毛寧報道官は3日の会見で、こうした報道について「エネルギー安全保障は世界経済にとって非常に重要であり、各方面はエネルギー供給の安定確保に責任を有している」と述べ、具体的な事実関係には踏み込まず、「関係各国に軍事行動の即時停止を求める」と強調しました。 また、ホルムズ海峡の航路の安全を守り、世界経済にさらなる悪影響を及ぼすことを防ぐべきだと訴え、中国が仲介役としても存在感を示そうとしているとの見方も出ています。
一方、ホルムズ海峡の封鎖はすでに原油やガス価格の高騰を招き、海峡を通るタンカーの航行が大幅に制限されていることで、原油やLNGの供給に不安が広がり、市場で価格上昇圧力が強まっていると分析しています。 中国としても、インフレや成長減速を避けるため、イランに対する水面下の働きかけを強めざるを得ない状況にあるといえます。
中東緊迫が中国経済に波及懸念 LNG依存と日本への影響
中国メディアや専門家からは、ホルムズ海峡の封鎖が長引けば、中国の「経済、商業、エネルギー、資源のあらゆる利益に重大な課題と危険をもたらす」との懸念が示されています。 中国のシンクタンク関係者は、海運コストの上昇や供給不安が企業活動を圧迫し、世界的なエネルギー市場の混乱を通じて中国の輸出産業にも波及しかねないと指摘しています。 中国はホルムズ海峡を通過する原油タンカーとカタール産LNG船の安全な航行を認めるようイランと協議しており、海上輸送の「まひ」状態の解消を目指しているといいます。
LNG市場では、中国だけでなく日本や欧州も中東産への依存度が一定程度あるため、ホルムズ海峡のリスクは国際的なエネルギー安全保障の課題となっています。 日本エネルギー経済研究所によれば、2025年の日本のLNG輸入量は6498万トン、中国は6843万トンで、中国が日本を上回る輸入国となっています。 今回の危機を受け、日本国内では、カタール国営企業からの長期LNG調達契約を進めるJERAなどが調達多角化を図っており、2028年から年300万トンを輸入する計画も発表されています。 ただし、主要供給源の一つであるカタールのLNGがホルムズ海峡経由で運ばれる以上、同海峡の安定なくして日本のエネルギー安全保障も万全とは言えない状況です。
中国がイランに圧力をかける動きは、自国の供給確保にとどまらず、世界のエネルギー市場安定に向けた「責任ある大国」としての役割をアピールする狙いもあるとみられます。 しかし、米国・イスラエルとイランの対立が続くなか、中国の働きかけだけでホルムズ海峡の緊張が早期に解消されるかは不透明です。 日本を含む各国は、備蓄や代替調達の拡充とともに、中東情勢の行方と中国の外交的動きを注視する必要がある局面となっています。









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