月探査「アルテミス計画」で日本人宇宙飛行士が2人参加 2025年以降に月面へ
米国が主導する月探査計画「アルテミス計画」において、日本人宇宙飛行士が少なくとも2人、月面での活動に参加する見込みです。これが実現すれば、日本人が初めて月面に足を踏み入れる歴史的な瞬間となります。
この計画は、2025年以降に宇宙飛行士を月面に着陸させることを目標としており、1972年のアポロ17号以来、およそ半世紀ぶりの人類の月面到達を目指しています。日本は技術面での貢献も見込まれ、JAXAとトヨタが共同で開発中の有人月面探査車が活用される予定です。
この取り決めは近い将来、NASAとの間で正式に締結されると見られています。日本人宇宙飛行士の月面活動は、日本の宇宙探査にとって重要な転換点を迎えることを意味しています。
国際プロジェクト「アルテミス計画」とは?
国際プロジェクト「アルテミス計画」は、月面開発を持続的に行い、将来的に火星探査を目指す取り組みです。この計画の名前はギリシャ神話の月の女神「アルテミス」から来ており、「アポロ計画」の由来となった「アポロ」とは双子の関係にあります。
第1段階では、新開発された「オリオン」宇宙船が無人で月を周回し、25日間の試験飛行を無事に終えました。今後の段階では、宇宙飛行士を乗せた月周回試験飛行を実施し、2025年以降には宇宙飛行士が月面に着陸する予定です。
さらに、月面探査のための新たな宇宙ステーション「ゲートウェイ」の建設も計画されており、このプロジェクトには日本人宇宙飛行士が少なくとも1人参加することが日米間で正式に決定しています。
2024年1月中旬に月面活動に関する取り決めに署名
米国主導のアルテミス計画において、日本人宇宙飛行士が少なくとも2人、月面に着陸する予定です。2024年1月中旬、盛山正仁文部科学相が米国を訪問し、NASAのネルソン長官と日本人宇宙飛行士の月面活動に関する取り決めに署名する見通しです。
日本政府関係者によれば、この歴史的な署名式は17日を目処に予定されていますが、政治的な状況によっては日程が変更される可能性もあります。日本のJAXAは2023年2月、新たな宇宙飛行士候補に諏訪理氏と米田あゆ氏を選抜したと発表しました。現役の宇宙飛行士6人を加えた合計8人の中から、月面着陸の候補が選ばれる見込みです。
日本の岸田文雄首相や米国のバイデン大統領もこのプロジェクトに対して言及しており、ハリス副大統領は「20年代末までに外国人の宇宙飛行士を月面に送る意向だ」と表明しています。ただし、国籍については言及しませんでした。