国連の女性差別撤廃委員会で「夫婦同姓」制度の議論が加速 日本政府は従来の回答

スイス・ジュネーブで開催された国連の女性差別撤廃委員会で、日本の「夫婦同姓」制度について、女性差別にあたるとして民法改正を求める質問が出されました。これに対し、日本政府は「国民の理解が必要」と従来の回答を繰り返しました。
女性差別撤廃委員会は、結婚で姓を変えるのは主に女性であり、負の影響が出ていると指摘。「姓を選ぶ自由を与えることは考えていないのか」と、民法改正の可能性について問われました。
これに対し、日本政府代表団は「国民の意見がわかれている。社会全体における家族の在り方に関する重要な問題であり、幅広い国民の理解を得る必要がある」と、これまでと同じ回答を繰り返しました。
さらに委員から多くの女性への影響について問われると、日本政府は旧姓の通称使用拡大の取り組みなどを繰り返し、選択的夫婦別姓制度の議論を進めるかどうかについて、明確な言及を避けました。
法務省の調査によると、夫婦の姓の統一を法律で定めているのは日本のみとのことです。女性差別撤廃委員会は2003年に日本政府に民法改正を勧告しており、今回も「最終見解」で4度目の指摘を行う可能性があります。
ネット上では、「日本は日本なのだから国連のいうことなんかいちいち気にしないで日本のやり方でやっていけばいいと思う」「私は子供のことを考えたら夫婦同姓がいいと思う」「各国の事情があるのに国連で良し悪しを判断するなんて、ちょっと行きすぎではないだろうか」などの意見が寄せられています。
立憲民主党、公明党、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党は賛成の立場
現在、日本の民法では「夫婦同姓」が義務付けられており、結婚して姓を変えるのは9割以上が女性です。企業が認める場合、仕事と私生活で別の姓を名乗る人が増加傾向にありますが、法律での選択制を求める声も上がっています。
「仕事と日常生活で姓が違うと不便」「姓を変えることはアイデンティティの喪失」などの意見がある一方、「子どもの名字をどうするかで混乱を招く」といった反対意見もあります。
立憲民主党、公明党、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党は賛成の立場ですが、自民党は「旧姓使用の拡大」を掲げ慎重な姿勢です。日本維新の会は「旧姓使用に法的効力を与える制度」を提案しています。
国連の女性差別撤廃委員会で夫婦別姓の選択制を求める意見が出されましたが、日本政府は従来の回答を繰り返すにとどまりました。選挙を通じて、選択的夫婦別姓の議論がどう進むのか注目が集まっています。