
トランプ米大統領は21日(日本時間22日未明)、SNSを通じてイランに対し、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の事実上の封鎖を48時間以内に「脅かすことなく、完全に開放する」よう要求したと明らかにしました。応じない場合には、イラン国内の発電所を米軍が攻撃し「完全に破壊する」と警告し、「まず一番大きい発電所から始める」とも述べています。ホルムズ海峡は世界の石油供給の約2割が通過する要衝であり、今回の封鎖により原油価格は急騰、日本を含む世界経済への影響が懸念されています。
米国とイスラエルは2月末、イランに対する軍事作戦を開始しており、その報復としてイラン側がホルムズ海峡通過を制限したことで、湾岸諸国から日本など各国への原油輸出が滞る事態となりました。3月に入り、WTI原油先物価格は1バレル67ドル前後から一時120ドル近くまで上昇したとの試算もあり、日本のインフレ率を再び押し上げるリスクが指摘されています。日本が輸入する原油の約9割が中東産で、その多くがホルムズ海峡経由であることから、封鎖長期化はガソリン価格や電気料金、物流コストの上昇を通じて家計や企業収益を圧迫する可能性が高いとされています。
トランプ大統領は20日には、対イラン軍事作戦について「目標達成に近づいており、縮小を検討している」と発言していましたが、その一方でイランのエネルギーインフラへの攻撃に言及するなど、強硬姿勢も崩していません。同氏はホルムズ海峡の警備について、中国や日本、韓国、英国など複数の国に艦船派遣を求めているとし、「湾岸諸国の石油に依存する国々には、海峡を守る責任がある」と主張しています。11月の米中間選挙を控え、原油高騰に伴うガソリン価格上昇が有権者の不満につながることへの危機感も背景にあるとみられます。
イランは報復を警告 中東情勢の緊迫長期化も
トランプ氏の発言を受け、イラン軍はエネルギー関連施設が攻撃された場合、「中東地域で米国に属する全てのエネルギー、IT、海水淡水化施設を標的とする」とする声明を出し、報復攻撃を示唆しました。イラン革命防衛隊幹部も、ホルムズ海峡を航行する船舶を「焼き払う」と警告し、原油輸送を認めない姿勢を改めて強調しています。12日には、イラン政府がホルムズ海峡の封鎖継続を表明し、米国に対して「攻撃を後悔させる」と反発するなど、対立は一段と激しくなっています。
日本国内では、ホルムズ封鎖による原油高騰を受け、ガソリン価格が200円を超える水準まで上昇する試算も報じられており、軍事衝突の激化・長期化が物価高を再び加速させる懸念が広がっています。政府・与党内では、エネルギー価格高騰への対策強化に加え、タンカーの安全確保や代替調達先の確保などをめぐる議論も進んでいます。一方、国際エネルギー機関(IEA)は、今回の中東紛争が石油業界史上「最大の供給途絶」につながる可能性に言及しており、ホルムズ海峡の封鎖が長期化した場合、世界経済への打撃は避けられないとの見方が強まっています。



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