辺野古沖転覆事故で運航団体に強制捜査 海保が業過致死傷容疑で家宅捜索

辺野古沖転覆事故で運航団体に強制捜査 海保が業過致死傷容疑で家宅捜索

沖縄県名護市辺野古沖で修学旅行中の高校生らを乗せた船2隻が転覆し、女子高校生と船長の2人が死亡した事故を受け、第11管区海上保安本部(那覇)が船を運航していた市民団体の関係先に対し、業務上過失致死傷容疑で家宅捜索に踏み切りました。

事故は3月16日、辺野古沖約1.5キロの海域で発生し、同志社国際高校(京都府)2年の生徒18人と乗組員3人の計21人が乗った抗議船「不屈」と「平和丸」が相次いで転覆、2人が死亡、14人が重軽傷を負いました。 20日午前9時すぎ、海保の捜査員らが、2隻を運航してきた「ヘリ基地反対協議会」の活動拠点や名護市内の事務所など少なくとも2カ所に入り、押収資料の運び出しを続けました。

「不屈」と「平和丸」は、米軍普天間飛行場の辺野古移設工事に反対する市民らの海上での監視・抗議行動を担ってきた抗議船として長年運航されてきた経緯があり、辺野古漁港近くの拠点では、テントや建物に「命どぅ宝」などと書かれた浮きが掲げられるなど、基地建設に反対する象徴的な空間となっていました。​

今回の転覆事故では、転落した21人のうち多くが10〜40分後に救助された一方、死亡した女子生徒は約70分後に救出され、その際、着用していた救命胴衣の背中部分が船体の収納ボックスに引っかかった状態で見つかったことが明らかになっています。 司法解剖の結果、2人の死因はいずれも溺死とされ、海保は運航時の安全管理や救命措置、当日の海象判断などに問題がなかったかを慎重に調べています。

ヘリ基地反対協議会の関係者は報道陣の取材に対し、「詳しいことは言えない」としながらも、「弁護士を通じて真実を明らかにしたいという気持ちで捜査に協力する」と述べ、強制捜査の進展を見守る姿勢を示しました。 今回の家宅捜索により、長年、基地建設反対運動の拠点となってきた市民団体の活動と、安全運航体制の在り方が改めて問われる局面を迎えています。​

安全管理体制と反対運動への影響に注目集まる

今回の事故では、波浪注意報が出る中での出航判断や、定員ぎりぎりまで乗船させていた運航実態が指摘されており、海保はこうした点も含めて業務上過失致死傷容疑での立件を視野に捜査を進めているとみられます。 「平和丸」は最大搭載人員が旅客12人・船員1人、「不屈」は旅客9人・船員1人とされ、事故当時はいずれも最大搭載人員と同数の乗船者を乗せていたことが報じられており、安全余裕度の観点からも検証が求められています。

一方で、2隻は2000年代半ば以降、辺野古沖での基地建設工事を監視し、反対の声を上げる市民らを乗せて活動してきた経緯があり、地域の住民や支援者にとっては長年の運動を象徴する存在でした。 事故後、辺野古の新基地建設をめぐる議論においても、安全管理の問題と同時に、平和学習や市民運動の場をどう確保するかという課題が浮き彫りになっています。

ヘリ基地反対協議会の共同代表は、家宅捜索後の取材に対し、「書類が押収された。これから弁護士と相談して対応策を考える」と述べた上で、「弁護士を通して真実を明らかにしましょうということで、捜査に全面的に協力する気持ちは皆一緒だ」と話しています。 強制捜査は遺族感情に配慮しつつ、事故原因の徹底解明と再発防止策の検討につながるかが問われており、今後の捜査や司法判断、そして市民団体側の対応に注目が集まっています。​

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