フィリピン麻薬戦争の主導者、ドゥテルテ前大統領が国際刑事裁判所の逮捕状で拘束

フィリピン政府は3月11日、国際刑事裁判所(ICC)からの逮捕状を受けてドゥテルテ前大統領を逮捕したことを発表しました。香港からマニラに帰国した直後に拘束され、空軍基地に連行されたと政府関係者が明らかにしています。

この逮捕は、ドゥテルテ氏が大統領時代に推進した「麻薬戦争」と呼ばれる強硬政策に関連しています。容疑者の即決処刑も辞さない徹底的な麻薬取締りは国際社会から厳しい批判を浴び、ICCは「人道に対する罪」の容疑で捜査を進めていました。

興味深いことに、ドゥテルテ氏は逮捕の数日前にあたる9日、香港での政治集会で自らの政策を擁護し「国の平和と安全を守るためだった」と主張する一方、逮捕の可能性も受け入れる姿勢を示していました。

この事件は、国内では根強い支持を集めつつも、国際法の観点から問題視されてきたフィリピンの麻薬政策をめぐる議論に新たな展開をもたらすものです。国際刑事裁判所の管轄権を巡る国家主権との緊張関係も浮き彫りにしています。

ネット上では、「すべて犯罪者の刑罰は司法が及ぶ範囲においては、司法に基づき行われるべき」「これからこの国はどうなるんだろう」「麻薬犯罪を放置してきた歴代大統領が罪に問われるべき」などの意見が寄せられています。

ICC、ドゥテルテ前大統領の公判前手続き開始へ 「すべての責任を負う」と覚悟示す

ICCは3月12日、「人道に対する罪」の容疑で逮捕されたドゥテルテ前大統領の移送が完了したと発表しました。翌13日には、公判前手続きを14日午後2時(日本時間同午後10時)に開くことを明らかにしています。

この裁判は世界的に注目される異例の事案となります。ドゥテルテ氏はダバオ市長時代から大統領在任中まで(2011〜2019年)の麻薬撲滅対策において、民間人を「広範かつ組織的に攻撃した」として訴追されています。

ハーグの拘置所に収容されたドゥテルテ氏は、機内から自身のSNSに動画を投稿。「すべての責任を負う」「長い法的手続きになるが、私はこの国に奉仕し続ける。これが私の運命だ」と述べ、自らの立場を受け入れる姿勢を示しました。

有罪となれば最長30年の拘禁刑、特に悪質と判断された場合は終身刑が科される可能性があります。予審部の合議体は、60日以内に裁判を開くのに十分な証拠があるかを判断します。

現地メディアによれば、ドゥテルテ氏の長女でフィリピン副大統領のサラ氏も父親支援のためハーグに入ったとのことです。

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