
2024年上半期の訪日客数が約1,778万人に達し、過去最高を更新したことが明らかになりました。日本政府観光局(JNTO)と観光庁が19日に発表した最新データによると、このペースが続けば年間で3,500万人程度となる見通しです。
2016年に政府が掲げた「4,000万人」という目標達成も現実味を帯びてきました。国・地域別では韓国、中国、台湾、米国の順に多く、特に米国からの訪日客は円安の追い風もあり、2019年同期比1.5倍にまで急増しています。
一方で、急激な訪日客増加によるオーバーツーリズム(観光公害)の懸念も浮上しています。混雑やマナー違反、受け入れ側の人手不足などの課題に直面する地域が出てきたのです。
これを受け、観光庁は補助金を投入し、銀山温泉(山形県)や大月(山梨県)など6地域を「先駆モデル地域」に追加。混雑対策やマナー啓発に乗り出します。
訪日客の増加は日本経済に恩恵をもたらす半面、地域の生活環境への影響も無視できません。持続可能な観光立国の実現に向け、官民一体となった取り組みが求められています。
ネット上では、「訪日外国人が多くなるつれて弊害も出て来る」「こんなに外国人観光客を受け入れて、食料をどうする気なんだろうか?」「このままだと日本の観光地は『安かろう悪かろう』になってしまう」などの意見が寄せられています。
訪日外国人の消費額が急増 4〜6月期は2兆1,370億円で過去最高
訪日外国人の消費額が急増しています。観光庁によると、2024年4〜6月期は2兆1,370億円で、四半期として過去最高を更新しました。1〜6月期でも3兆9,070億円と、2019年同期の1.6倍に達しています。
このペースが続けば、年間消費額は「8兆円も視野に入る」とのことです。ただし、訪日客の三大都市圏への集中が目立ち、地方部の割合は減少傾向にあります。欧米からの訪日客増加に伴い、ニーズも多様化しており、各地域での取り込み策が急務となっています。
一方、地方空港への新規就航や増便が航空燃料不足で頓挫するケースも見られます。政府によると、全国で週140便が断念されたといいます。
これを受け、官民で内航タンカーやローリーなどの燃料輸送手段の確保や、製油所での増産対策が打ち出されました。量から質への転換が求められる中、地方創生と持続可能な観光振興の両立が課題です。