
人気ライブ配信者「最上あい」として活動していた佐藤愛里氏(22)が命を奪われた痛ましい事件の詳細が明らかになってきました。犯行に及んだのは栃木県在住の高野健一容疑者(42)で、金銭トラブルを理由に計画的な殺害を実行したとされています。
高野健一容疑者は佐藤愛里氏の「山手線徒歩1周」配信を前日に視聴し、翌朝わざわざ上京して被害者を探し出すという用意周到な計画で犯行に及びました。自宅から持参したナイフで襲撃し、その様子が佐藤愛里氏自身の配信映像に収められるという痛ましい結末となりました。
警察の調べに対し高野健一容疑者は、「200万円を超える額を貸しているが、返してもらえない」と主張。消費者金融から借り入れたお金を銀行振込で送金していたとも供述しています。
2024年1月には栃木県警に金銭トラブルについて相談していた記録も確認されており、警察は両者の関係性を詳しく調査中です。
しかし、どのような金銭トラブルがあったとしても、一方的な暴力で命を奪う行為に正当性はありません。被害者はまだ22歳の若さで将来有望なライバーとして活動していました。
ライバー刺殺事件の背景 高野容疑者と被害者の関係性
佐藤愛里氏刺殺事件の背景には、配信者とファンの間で徐々に発展した複雑な関係性がありました。高野健一容疑者は2021年12月に佐藤愛里氏の配信を視聴して以来、単なるリスナーから親密な関係へと発展していったようです。
容疑者の供述によれば、2022年に入ってから「生活費が払えない」「姉の生活費を貸してほしい」などの理由で、佐藤愛里氏に複数回にわたり金銭を貸していたとのこと。同年8月頃には佐藤愛里氏の勤務先にも通うようになり、オンラインの枠を超えて実際に会う関係になっていたとみられています。
興味深いことに、この事件以前にも金銭トラブルの兆候が見られていました。あるリスナーによると、2022年大晦日に掲示板で「金を貸している」という内容の書き込みがあったといいます。
この投稿者はリスナーの間で「マジラヴ」と呼ばれ、佐藤愛里氏に恋愛感情を抱く「太めファン」として知られていました。2023年以降も、「最上あい」に金を貸しているという内容の書き込みが複数回確認されており、この騒動から約半年後に佐藤愛里氏は一度アカウントを削除しています。
その後新たなアカウントで配信を再開していましたが、悲劇的な結末を迎えることになりました。この事件は、ネット上の関係性が現実世界で危険な形に発展する可能性を示す痛ましい例となっています。