
6月に日本相撲協会を退職した元横綱白鵬の白鵬翔氏(40)が10日、世界相撲連盟顧問としての意気込みを語りました。同氏は9月の連盟総会で顧問に就任し、相撲競技の普及を目指し世界各国を回る多忙な日々を送っています。
白鵬氏は退職後、自身が社長を務める「白鵬ダヤン相撲&スポーツ株式会社」を立ち上げ、「世界相撲グランドスラム」構想を発表しています。この構想は相撲を世界規模でプロリーグ化し、将来的にオリンピック競技として採用されることを目指すものです。同氏は「世界を歩き回って、我々は一つの地球の中にいるんだなと改めて思った。何で戦争をしてしまうのか、残念だなと。スポーツ、相撲で世界を盛り上げたい」と語りました。
現在、世界相撲連盟の加盟国は87か国となっていますが、白鵬氏は「目指せ90、100。そして女子相撲ももっと盛り上げ、五輪種目に近づけていければ」と抱負を述べています。実際に白鵬氏はこれまでに4、5か国を訪問し、各国の相撲普及状況を視察してきました。9月にはタイ・バンコクで開催された世界相撲選手権の視察のため現地を訪問し、自身のSNSで「今からタイ 相撲世界大会楽しみです」と投稿していました。
さらに注目すべきは、白鵬氏が来年キルギスで開催予定のワールド・ノマド・ゲームズ(国際遊牧民競技大会)の公式アンバサダーに就任したことです。同大会は中央アジアの地域的スポーツを扱う国際大会で、100か国以上が参加する規模の大きなイベントとなっています。白鵬氏は「そこに相撲競技も入っていくので、自然と盛り上がっていくことになる。日本の選手も参加すれば面白い。大会で相撲を初めて実施できそうです」と期待を込めて語っています。国際相撲連盟では9月の総会で新会長にトヨタ自動車会長の豊田章男氏が就任し、白鵬氏とともに元小結・旭鷲山のダヴァー・バトバヤル氏も顧問に選出されました。
相撲の国際化に向けた具体的な取り組み
白鵬氏の相撲国際化構想は、単なる競技普及にとどまらず、文化的な側面も重視しています。この日は自身がアンバサダーを務める日本モンゴル友好記念事業の舞台「モンゴル・ハーン」の日本公演初日に来場し、「すごかったね。何回も泣いて、何回も鳥肌が立った。生で見て感動しました」と感想を述べました。白鵬氏は現役時代から「白鵬杯」少年相撲大会を主催し、国内外から多くの子どもたちが参加するイベントを開催してきました。今後も来年2月の「白鵬杯」開催を予定しており、アマチュア相撲への尽力が高く評価されています。日本相撲連盟関係者は「あれだけ国際普及に熱意のある人だから、今後加盟国がもっと増えたり、彼が一番望んでいる五輪競技採用につながっていければ」と大きな期待を寄せています。








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