
日本サッカー界に前代未聞の衝撃が走りました。日本サッカー協会(JFA)は10月7日、影山雅永技術委員長(58歳)との契約を同日付で解除し、技術委員長職の解任を決議したと発表。この電撃的な決定の背景には、フランスで起きた深刻な事件がありました。
影山氏は10月2日、チリで開催中のU-20ワールドカップ視察に向かうため、パリ経由で移動していた際に逮捕されています。フランス紙「ル・パリジャン」などの複数のメディアによると、影山氏は機内でノートパソコンを使って児童ポルノ画像を閲覧しており、それを日本人の客室乗務員が発見し通報。パリのシャルル・ドゴール空港到着時、現地当局により逮捕されました。
10月6日には、パリ近郊のボビニー簡易裁判所で児童ポルノの輸入・所持などの罪で、執行猶予付き懲役1年6か月と罰金5000ユーロ(約85万円)の有罪判決を言い渡されています。
影山氏は裁判において「AIが生成した芸術作品を見ていた」「フランスで禁止されているとは知らなかった」と主張。警察の捜査により実在する人物の画像も含まれていたことが確認されており、裁判所は「AI生成であっても児童ポルノに該当する」として有罪判決を下しました。また、フランスへの10年間入国禁止と未成年に関わる業務の10年間禁止も命じられています。
この事態を受け、JFAは7日午後7時から緊急記者会見を開催しました。湯川和之専務理事は「JFAとしては大変遺憾なことだと考えており、ご心配、お騒がせしていることについて深くお詫び申し上げます」と謝罪しています。
宮本恒靖会長は声明において「今回の件はサッカー界として許容できるものではない。これまでも取り組んできたものの、今回のことを契機に、サッカー界のガバナンス・コンプライアンス体制を改めて見直すとともに、徹底的に強化・改善を覚悟を持って図っていく」と表明。さらに「今一度JFAの理念に立ち返って行動していく」として、組織の抜本的な見直しを宣言しました。
影山氏の経歴と日本サッカー界への影響
影山氏は福島県出身で、現役時代はジェフユナイテッド市原(現千葉)などでプレーしました。筑波大学卒業後、指導者としてファジアーノ岡山監督やU-20日本代表監督などを歴任し、2024年4月から技術委員長に就任。
技術委員長は、日本代表監督の選定や戦術方針の策定、育成システムの統括などを担う重要なポジションです。今回の事件は、サッカー界に深刻な影響を与えることが懸念されています。
JFAは2023年の不祥事以来、再発防止を掲げて倫理研修を強化していた矢先の事件でした。サッカー関係者の間では、組織の中枢を担う人物による今回の不祥事が、普及活動やファンに与える影響を懸念する声があがっています。また、スポンサー企業との関係に影響が及ぶ可能性も指摘されており、来夏の北中米ワールドカップに向けた機運に影を落とす事態となっています。












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